憎しき彼に華を【神威】

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『お前は私が殺す!!!』




仕込み刀を神威に振り下ろす。ーーーだが、刃が目の前に迫っているにも関わらず、神威は番傘を構える事をしない。それどころか変わらず笑顔を浮かべたままであった。



その首目掛けて、確実に命を奪えるように。だが赤い鮮血が飛び散る事も、掌に肉の切れる気持ち悪い感覚が残ったわけでもなく。ブンっと私の刀は中空を斬っただけ。




「まぁまぁ、そう殺気立つなよ。俺が為になる事を教えてあげる」




私の刀を軽々と避けた神威。人差し指を立てながらそんな事を言うから、私の腸が煮えくり返ったのは言うまでもない。


尚も斬撃を加え続けるが、まるで私の出方を見破ってるかのようにソイツは足でステップを踏み始めた。




「ーーーひとつ。君は刀に頼りすぎだ。武器に頼りすぎるのは賢明とは言えないね。刀を奪われてしまったら無防備になってしまう」


『っ、！』


「ふたつ。確かに俺は君を｢強い｣と言ったけど、それは人間の“女”にしてはっていう意味。俺達夜兎の前では無力に等しい。

援軍も引き連れずに一人で乗り込むなんて、ただのバカとしか思えないね。自分の力を過信しすぎなんじゃないの？」


『黙れ!!』


「みっつ。俺を楽しませてくれるのは評価してあげるよ。……あぁでも、もうちょっと強くなってて欲しかったな」





ーーーつまらないよ、こんなんじゃ。



刀を蹴り上げられて、それは神威の手によって奪われる。「ね？」と憎たらしいソイツの笑顔を今すぐ墨で塗りつぶしてやりたい気分だ。




「ーーーま、どーせ地球に戻れないし、此処で頑張ってみれば？鍛錬場もあるし腕っぷしのいい奴等も揃ってる。……あ、寝込みとか襲ってみる？」


『ふざけないで。正々堂々お前に勝ってやるわよ。ーーーこれからお世話になりますね、団長(・・)？』


「…よろしくね。名前何だっけ」


『山田花子です、とうぞよろしく』

「絶対嘘だよね？それに全然よろしくされてる気がしないなぁ。毒針を仕舞おっか？」


『……チッ』



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