26話 ページ27
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太宰「__へぇ」
口角が上がるような感覚がした
太宰「じゃあ君は_そうか」
太宰「ピエールとでも呼ぼうか_!」
キィン__ザシュッ_
太宰「ッ_」
腕を切られた_ 血が服や巻いていた包帯に滲み出した
佐藤「呼ぶな__俺はピエールじゃない!!」
佐藤「巫山戯るなよ餓鬼がッ!!」
佐藤「俺は守れなかったんだ_彼女を__嘗て本物の
剣が振り上がる__その刃は頭上まで迫ってきた
『莫ァ迦。何てこずってんだよ』
「莫ァ迦。何てこずってやがる糞太宰」
聞きたいようで聞きたくない声が聞こえた
異能力_『一握の砂』
時が止まるその瞬間_
『汚れつちまつた悲しみに』
静止した彼を、重力で飛ばすと同時に 時が開始した
佐藤「なっ_」
床に剣と体が打ち付けられた彼は唖然としていた
『知ってるぜ__二代目救国の乙女_彼女は最近亡くなった』
佐藤「__は_」
『確か彼女も19歳だったなぁ_』
『ほーんとお前らって似てるよな』
絶望しきった顔を前に続ける
佐藤「な、なんで_」
『彼女は死 んだ。火に炙られて』
太宰「その火は異能力だった。君の仲間の_伊坂幸太郎君のね」
佐藤「何故__なんで彼奴が_」
中原「大方手前の首領が関係してんじゃねぇのか?」
佐藤「なんで首領が_そんなこと_だって彼の人は_」
『裏切った_としか考えられないだろ?』
佐藤「ちが、_違う!首領は彼女も守るからと_そういった_!」
太宰「莫迦だねェ君。そんなの信じてる方が可笑しいじゃないか。」
『現に二代目
佐藤「嘘に決まってるだろ!」
中原「嘘じゃないぜ。さっき伊坂がこういった」
あの時聞いた言葉をそのまま言う。
"ごめん、先輩"
佐藤「…ッ!!」
太宰「君は裏切られたんだ。その信仰する首領に」
佐藤「……」
ただ顔を俯かせ_涙を流していた
『嘗ての
佐藤「…そう…だな」
『教えてくれよ。あんたの首領の居所』
佐藤「…奥だ。奥にいる…だけど…」
『死 なねぇよ。あんたら如きに』
目を見開いて、こちらを覗く
佐藤「そうか…」
そう言ってニカッと笑った
太宰「…剣で切って上げるよ。せめて」
ザシッ__
『さて…行くか!』
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作者名:舞。 | 作成日時:2019年9月1日 18時