太宰治【トカゲノシッポ】 ページ10
『A、今日は助かった。』
『いや、私も楽しかったよ』
『え！？いいなあ！私も手伝いたい！！』
『太宰には無理だろ。なぁ、安吾？』
『そうですね』
あははは、皆で笑う。
ああ、幸せだ。こんな日常が続けばいい。
でも、
でも＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『ん、、、、、？』
探偵社で目が覚めた
少し、寝てしまったのか。
もう夕暮れ
探偵社の窓から夕日が差し込んで少しまぶしい
厭な夢を見た。もう、遠い昔の話。彼が笑っていたころの話。
織田作が死んだしまったことが、わたしにはまだ信じられないのだ。
太「目が覚めたかい？」
『太宰』
いつの間にか隣に居た太宰がそっと、珈琲を出してくれる
『有り難う。』
昔の話。
織田作が死んでしまった話。
何度も何度も何度も何度も、
同じ夢を見る。
もう、現実には永遠にならない夢。
『ねえ、太宰。』
太「なんだい？」
太宰が隣の席に座る。
『太宰は、織田作のように、どこかに行かない？』
私の小さな呟きに太宰が目を見開いた
太「＿＿＿＿＿＿＿昔の夢でも見たのかい。」
こくりと頷く。
『不安なんだよ。太宰は、いつも私を置いてどこかに行ってしまわないかって。太宰が、いつか本当に死んでしまったら、、、、、私は、今度こそ、、、、、、、、、、、。』
『独りぼっちだ』
織田作が死んでから、常に抱えていた思いを、吐き出す。
『、、、独りにしないでくれ』
私が言い終わるのと同時に、太宰が私を抱きしめた
『っ！』
太「、、ごめんね。不安にさせてしまって」
『、、、、、』
太宰の表情はここからは見えない
太「A」
太宰が私を離す
太「好きだよ」
太「もし、Aが私を愛してくれるなら、私はAを絶対独りにしない」
『、、、ほんとか、、、？』
太「ああ、約束するよ」
夕日が私達を優しく、照らす
「私は＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿」
Aの答えを聞き、微笑んだ太宰はとても、綺麗だった
続く (更新停止中)
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作者名：arieru:アリエル.ミミズ.トカゲノシッポ | 作成日時：2017年4月22日 21時
