坂口安吾【トカゲノシッポ】 ページ9
Noサイド
『、、、、、、、、安吾君まだ?』
「もう少し待ってください。」
坂口安吾は今日同僚のAと居酒屋で飲みに行く約束をしていた。しかし、安吾は残業してしまい、Aがそれをずっと待っている。
もう夜も遅く、会社に残っているのは二人だけだった。
『ねぇ、安吾君。』
「何です?」
キャスター付きの椅子に座り、ぐるぐると回りながらAが声を掛ける。
安吾はパソコンに向き合ったまま手を休めずに返事をする。こちら側を見ない安吾に対して少し不満を抱きながら、Aが言う。
『私、暇なんだけど。まだなの??』
「暇なら仕事を手伝って下さい。」
そういうとAは黙り混んだ。仕事はしたくないらしい。
そのまま何分かが過ぎた頃。
『、、、、、、、あぁ、もう!!』
突然Aは大声をあげて立ち上がり、
安吾の背中に抱きついた。
「っ!?」
ピタッと安吾の手が止まる
『んも〜〜、暇だよ安吾君!!』
安吾の背中に抱き付いたまま、Aは子供の様に言う
坂「A。退いてください」
出来るだけ平穏な声で言う
好きな人にいきなり抱きつかれて緊張しない者は居ないだろう。
安吾もその一人だ。
『やだ』
Aはきっぱりと言い切った
『ほらほら〜安吾君手が止まってるよ?速くしてよ〜』
Aは急かすように言う
だが、安吾はパソコンを閉じ、Aの方を向いた。
『安吾君?』
そしてそのままAを抱き締める。
『ぅえっ!?ぁ、、安吾君、、、!?ど、どうしたの!?』
Aは状況が理解できていない様子だった
「好意を抱いている女性に抱きつかれて、何もしない男が居ると思いますか?」
Aの耳元で呟く。
『っぁ、、安吾君、わ、解ったからっ!は、はなしてっ、、、、!』
顔を鮮やかな紅色に染めて、腕の中でジタバタと動く。
しかし安吾はAを放そうとはしない
代わりにクスリと微笑みを溢しただけだった。
「A」
手でAの顎を掴み、上を向かせた
「今日は居酒屋に飲みに行くのは止めて、、、、、、僕の家へ行きましょうか?」
言葉は疑問形だが、Aに答える権利は無い。
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作者名:arieru:アリエル.ミミズ.トカゲノシッポ | 作成日時:2017年4月22日 21時