パンダの妹

27 ページ30

逃げる




逃げる





歯が立つ相手じゃない

『棘チャン、平気？喉大丈夫？』


｢しゃげっ｣

大丈夫、なんて言いながら棘チャンの声は掠れ始めていた


Aが見てた限りじゃ棘チャンまだ、動くなしか言ってないのにナー…




やっとの思いで外に出る

｢狗巻先輩が止めてくれる、ビビらず行け！｣

｢っだぁ"｣


容赦なく鵺を貫いた呪霊、止まらなかった呪霊。それが示す事実は1つ



横で棘チャンが崩れ落ちる

『棘チャン？どうしよ、血出てる』



殴られた加茂チャンが横を吹っ飛んでいった、どうしよう、大丈夫、加茂チャンは恵チャンが止めてくれる



頭が回らないっ


『...っ、破岩掌！！棘チャン、早く隠れて...！棘チャン？』

｢...たかな｣


何を、してるんだろう。棘チャンはもう喉が使えないのに...どうして口を開くノ？



｢狗巻先輩、それ以上は...｣


『待って、棘チャン、Aまだ頑張れるからまだ待って！！お願いだヨ！』



叫びも虚しく呪言が発せられた

｢"ぶ っ と べ"！｣



呪霊が吹っ飛ぶと同時に棘チャンも倒れる...


呪霊には、傷1つついていないのに




どうしてだが、息切れが止まらない。まだ殆ど攻撃も仕掛けていないのに


『はっ...…はっ…、え？なんで...なんで！！棘チャン達が頑張ってくれたのに、なんでお前は倒れてくれないノ！？』





怖い、そんな言葉しか出てこない




呪霊が怖いんじゃない、ここで皆を守りきれないことが怖い

28→←26

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す