白昼夢 〜ジャン・ボガード〜 ページ10
あたたかな日差しに包まれ、生まれたばかりの乳飲み子のように、不安や寂しさなどかけらも感じない。失ったものは未だひとつもなく、とても甘やかな気持ちがじんじんとわいてくる。
しかし、心地よい夢は、突然に幕を閉じ、余は目を覚ます。
夢か。
…必要なものは全て手に入れてきた。
一王国の王子としてこの世に生を受け、欲しいものは全て手にしてきたはずなのに。
何が故にお前を手に入れられない?
…いいや、余が想いを伝えられないでいるだけなのだが。
笑うAが好きだ。仕事に勤しむAが可愛い。
……はぁ、余は意気地なしなのか。
そんなことを考えていて、ついさっきまでどんな夢を見ていたのかも、そして夢を見ていたことさえも忘れてしまう。
「ぴんぽーん!ジャン、朝だよ〜!」
「A、おはよう」
勇者たる者、如何なる時にも弱みを見せてはならない。そう思って、余は出来るだけいつもと同じようにAに接する。
「わー、もうおきてたの?早いねー、ジャンは。私は眠い〜」
そう言ってAは「ふわぁ…」とあくびをした。
「私ね、昨日の夢の中でうさぎに乗って世界一周したんだよ〜」
…随分と愉快そうな夢でないか。
「ね〜ジャ〜ン〜、なんか言ってよぉ!」
「そ、そうなのか。うさぎは乗り心地良かったのか?」
寝ぼけているせいか、それとも別の理由からか、余はとんちんかんなことを聞いてしまう。
「ん〜どうなんだろ。今までうさぎ乗ったことなかったから、比較対象がないってゆーか…」
余は思わず呆れてしまう。しかし、それは親しみや愛おしさによるものだけど。
「はは、面白い夢であったのだな。それでは、余は行くぞ」
これ以上話を持たせられそうになかったので、余はAの横をすり抜ける。
「えっ、ちょっと!ジャンはどんな夢見たのよ??」
Aの声に余は歩を止め、振り返る。
「貴女の夢に決まっているであろう?」
そしてちょっとだけ微笑んでまた前へ向き直る。またうさぎに乗る夢を見れたらいいな。そうしたら比較対象ができるぞ。
早朝の風が、余の首の背をくすぐって遊んでいる。
それは、早々に見た白昼夢のように、光って、はじける。
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ジャン王子です、お待たせしました!
比喩表現など、わかりにくいところがあったらごめんなさい… 勝手にイキってます、私が。
アニメではもう新章突入ですね… 残りのすぉさん頑張ります。
ジャン「余は高評価が欲しいのだ!」
ベイバキャラからひと言!
ザック「ボクはキミだけためのshining starなのさ!」
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さはら - 面白かったです。 (2020年5月22日 15時) (レス) id: 9c9562d775 (このIDを非表示/違反報告)
瀬央(プロフ) - Lauraは友達に垢バレたさん» ありがとうございます^ ^とっても嬉しいです! (2018年11月13日 21時) (レス) id: f31a23d5e6 (このIDを非表示/違反報告)
Lauraは友達に垢バレた(プロフ) - 50評価です^ ^おめでとうございます!! (2018年11月13日 16時) (レス) id: e44e0c3008 (このIDを非表示/違反報告)
瀬央 - 天宮悧音さん» 本当ですか!?とっても嬉しいです!読んでくれてありがとうございました! (2018年10月30日 16時) (レス) id: 0d140936c6 (このIDを非表示/違反報告)
瀬央 - 三日月水晶さん» ありがとうございました。楽しんでいただけたならこの上なく幸せです。 (2018年10月30日 16時) (レス) id: 0d140936c6 (このIDを非表示/違反報告)
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