505話 ページ6
大貴side
時折様子を見つつ仕事を進めた。
「A…?大丈夫?」
A「…っ…(涙)」
部屋に行くと目を覚ましてた。
涙目で布団をぎゅっと握ってる。
「…何か嫌なことあった?」
A「ない……(涙)」
「そっか……
じゃあ泣いてる理由教えてほしいな」
A「グスッ…痛いこととか…
泣かずに我慢しようって思ったのに…
グスッ…無理だった…
同じくらいの子はみんな泣かずに我慢できるのに…(泣)」
Aが話してくれた。
もしかして、今まで"我慢しなきゃ…"って
思って必死に耐えてたのかな。
A「誰も抱っこなんかしてもらってないのに
グスッ…自分だけ甘えてるし…なんか…恥ずかしいなぁって
思っちゃって…。
でも…すごく寂しい…(泣)」
急に我慢するようになった理由、
甘えてこなくなった理由…全部がわかった。
確かにAは他の子よりも
幼い部分があるんだよね。
「A。
無理に我慢しなくてもいいんだよ?」
A「グスッ…えっ?(涙)」
「嫌だったらいっぱい泣いていいし、
甘えたかったらいっぱい甘えていい。
それに…急に甘えてくれなくなると
寂しいな。」
A「グスッ…(泣)」
「Aが嫌って言っても甘えたいって言っても
大ちゃんもひかも…みんな絶対怒らないから。」
Aにどれくらい伝わったか
わからないけどそれからは今まで通り
甘えてくれるようになった。
本来のAを見ることができて
すごく嬉しかった。
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作者名:山田光 | 作成日時:2022年9月15日 23時