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三百三十一夜。 ページ33

「我が輩はマナ=D=キャンベルではありまセンが、彼がどこに居るかは知っていマスヨ」



「なに…?」



今まで何かを考え込むように黙っていた背後のアレン(今はおそらくネアだろう)が反応を示した。



「マナはね、二度と戻ってこられないトコロに永久にいっちゃったんデスヨ」



「……でもあんたはアレンを見つけた。アレンと数年間過ごした男、あれはあんただろ」



ネアに続くように私も言葉を発しようと口を開ける。同時に私は胸元のボタンを外し、肌が見えるようにゆっくりと服と広げた。



『これに見覚えがありませんか?あの時は聞けませんでしたから、やっと問うことができます』



私の胸元に視線を落とした伯爵の表情がみるみる内に険しいものへと変わり、それに呼応するように伯爵の全身から発せられる圧も力を増す。



「何故その傷がお前の身体にあるのデス…っ」



『これをやったのはマナ様ではく千年伯爵、貴方ですよね?』



「ウゥ……ッウウゥウ…!!」



「おい女!そこを退け!!喰われるぞ!」



ぐわあっっと一斉に複数の攻撃が私とネアめがけて飛んでくる。しかしそれは、すんでのところで動きを止めた。



私の結界は発動していない。止まっている伯爵の攻撃には、見慣れた針が刺さっている。



「その姿…千年伯爵とお見受けするが、その少年放していただきましょうか。A、貴方は後方支援へ」



リンクからの指示が出た瞬間に、那木Aの身体としての感覚が戻ってきた。胸元のボタンを閉め、地面を強く蹴って伯爵の背後へ回る。



『タイミングはリンクに合わせるよ』



「では、今すぐに」



リンクの元から何十枚もの札が伯爵を覆い囲むようにして飛んできた。私は伯爵の足元四箇所に銃口を向ける。



そして、それぞれがそれぞれの呪文を大声で唱えた。



縛 ! !



オン・カイバラ ! !



ピシッ、と地面が小さく割れて発光し、四箇所に打ち込まれた弾丸から出た結界が手を取り合うようにして伯爵の周りを囲む。



リンクの術との合わせ技で、伯爵は唸りながら身動き一つ取れずにいた。その隙に同じく札でアレンを自分の元へ引き寄せるリンク。



私も気を失っているジョニーの肩に腕を回し、すぐに二人のもとへ向かう。



「…流石ですね、貴方の結界は」



『そう?ありがとう』



ジョニーを壁にゆっくりともたれさせ、私はアレンと対峙するリンクの隣へと移動した。

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あずさ - お忙しいとは思いますが、更新楽しみにしています!! (2020年1月28日 18時) (レス) id: dc5172fd12 (このIDを非表示/違反報告)
Rico(プロフ) - こんにちは。アレンくんと夢主ちゃんの今後が楽しみです。お忙しいかもしれませんが、更新頑張ってください! (2019年8月17日 1時) (レス) id: 3a6a1a4cba (このIDを非表示/違反報告)
歩。(プロフ) - 更新お待ちしてます! お忙しいとは思いますが楽しみにしています! (2019年4月23日 4時) (レス) id: f251146aad (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 楽しみにしてます(`・ω・´)ゞ (2018年10月20日 19時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
パオパオ - めちゃおもしろいです!!!続き楽しみにしてます!!!! (2018年1月20日 21時) (レス) id: 89165a1c38 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アストル | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年8月26日 23時

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