三百三十夜。 ページ32
気絶したファインダーを後にして、私とリンクは路地裏を駆け抜ける。
この先に何か強大な存在がいる気がする…先ほどから胸騒ぎが止まらない。
「おい！そこの二人、止まれ！」
「応援部隊ですか…早かったですね」
『応援ってだけあって、結構な数みたいよ』
私たちの後ろから聞こえるファインダーたちの声。その足音は一つの探索部隊の比ではない。
「…仕方ありません。ここは私が引き受けます。貴方は先に目標地点へ」
隣を走っていたリンクが足を止め、背後に迫る応援部隊を見据える。私は軽く頷いてそのまま足を進めた。
「たっ、助けて…っ。こちらイームズ、本部ッ！千年伯爵、千年伯爵が！」
路地からやっと抜けた。そう思い、暗闇に慣れていた目を少し細めながら太陽の日差しを浴びた時だった。
目の前にいたファインダーを鋭い何かが突き破り、その身体が一瞬で泡のように消えてなくなる。
後に残ったのは割れた結界装置だけだ。
「おヤ？まだ人がいましたカ」
「っ！おい！そこの女！！逃げ…」
《A、お身体拝借致します》
幼いながらも凜とした声が頭に響いた瞬間、いつの間にか手に握られていた銃が私の足下へ弾丸を撃ち込む。
自分の意思に反して、口からは結界を呼ぶ呪文が唱えられていた。瞬時に発動した結界が、私に向かって飛んできていた白いモノをギリギリで防ぐ。
「お前は…あの時の女か…！」
「んん〜？誰ですカ？」
『伯爵。久し振りですね。覚えていないとは言わせませんよ』
口から出る言葉は頭に響くメモリーの私の声。身体は借りられているようだが、那木Aとしての意識ははっきりとある。
自らの結界を纏いながら歩んでいく私は、結界装置で動けなくなっているアレンの前で止まった。
目の前には伯爵の仮面をつけた褐色肌の男性が異様な雰囲気で佇んでいる。
「あァ！思い出しましたタ。メモリーを無理矢理引き起こされたAですネ！」
「…A…？」
「聖痕が深くなっているのではありませんカ〜？その様子だとメモリーの侵食が強まっているようですネ」
『この身体はエクソシストのAのものです。…見る限り、今の貴方は千年伯爵そのものですね？では、お尋ねします。マナ様をどこへやったんです？』
「は？我が輩は我が輩ですヨ。ネアといい、貴方といい、何なんデス？」
『…マナ様の記憶がないのですか』
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あずさ - お忙しいとは思いますが、更新楽しみにしています！！ (2020年1月28日 18時) (
レス) id: dc5172fd12 (このIDを非表示/違反報告)
Rico(プロフ) - こんにちは。アレンくんと夢主ちゃんの今後が楽しみです。お忙しいかもしれませんが、更新頑張ってください！ (2019年8月17日 1時) (レス) id: 3a6a1a4cba (このIDを非表示/違反報告)
歩。(プロフ) - 更新お待ちしてます！ お忙しいとは思いますが楽しみにしています！ (2019年4月23日 4時) (レス) id: f251146aad (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 楽しみにしてます(｀･ω･´)ゞ (2018年10月20日 19時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
パオパオ - めちゃおもしろいです！！！続き楽しみにしてます！！！！ (2018年1月20日 21時) (レス) id: 89165a1c38 (このIDを非表示/違反報告)
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