三百三十二夜。 ページ34
「急所は外れているようですが、出血が多いですね」
アレンの怪我を見て、リンクは私にしてくれたように癒闇蛇を発動させた。
みるみる内に穴が塞がり、流れ出る血は止まる。
一度してもらったから驚きこそしなかったものの、何度みても癒闇蛇の効力はすごい。
『(あ…またきつそうな表情…)』
術が終わり、自分の身体を確かめるように肩を回すアレン。深く目を閉じて息を吐くリンクに私はおそるおそる尋ねる。
『癒闇蛇について詳しくは知らないんだけど、それはどういう仕組みなの？』
「…自らの命を削り、他者の傷を治癒する術ですよ」
『！！』
だから私の時も一瞬きつそうな表情を…
『なんでそんなに大切な術を私に…！！』
アレンの傷はどう見てもすぐに処置が必要なくらい酷かったから分かる。でも私は、この血のおかげで傷の治りは早いほうなのだ。あの時、はっきり断っておけば…
「貴方に死んでもらうわけにはいかなかったからですよ。何が起こるか分からないじゃないですか」
「リンクがAの傷まで…？でも、リンク。キミも無事で本当に良かった」
リンクに向けて話すアレン。その表情こそいつもの優しいアレンそのものに見える。
あぁ、これは１４番目じゃない。いつものアレン・ウォーカーだ。
『…って、ほとんどの人が思うんだろうね。だから、ジョニーも…』
「…？どうしました？A」
目の前にいるのは愛しいアレン。想ってきた年月が長い分、アレンのことはよく見ていた。
この程度の演技力では欺けない。
「今の貴方からは冷たく殺伐とした気しか感じられない。私の知るアレン・ウォーカーのそれとは全く違う。…貴方は１４番目でしょう」
「…ズルい人間だなぁ」
アレンの表情が見たこともないような鋭い目つきのものへと豹変し、纏う雰囲気までもがピリピリと肌に突き刺さるように冷たく感じる。
「気ねぇ…さすがにそこまでは隠せないわ。で？そうだったらどうすんの？オレとしては二人とも邪魔そうだから殺したいんだけど…。アレンを助けにきたんなら、もう遅いよ？」
『遅くない。アレンはまだ希望を捨ててないもの。私と共にこれからも歩んでいくのよ』
「…あんた、何なの？さっきの会話聞いてたけど、エクソシストだよね？」
リンクから視線を外し、その瞳は隣に立っている私を映す。無理もない。ネアの中で私はもうこの世に存在しない人物なのだから。
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あずさ - お忙しいとは思いますが、更新楽しみにしています！！ (2020年1月28日 18時) (
レス) id: dc5172fd12 (このIDを非表示/違反報告)
Rico(プロフ) - こんにちは。アレンくんと夢主ちゃんの今後が楽しみです。お忙しいかもしれませんが、更新頑張ってください！ (2019年8月17日 1時) (レス) id: 3a6a1a4cba (このIDを非表示/違反報告)
歩。(プロフ) - 更新お待ちしてます！ お忙しいとは思いますが楽しみにしています！ (2019年4月23日 4時) (レス) id: f251146aad (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 楽しみにしてます(｀･ω･´)ゞ (2018年10月20日 19時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
パオパオ - めちゃおもしろいです！！！続き楽しみにしてます！！！！ (2018年1月20日 21時) (レス) id: 89165a1c38 (このIDを非表示/違反報告)
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