三百三十五夜。 ページ37
『は……？』
「え？いきなり仲間とか言われても怖いんだけど。てか今お前、こいつのこと無名のノアって言ったか？」
「えぇ。言いましたよ」
「無名のノア…やっぱりあんたもメモリー持ちか。まさかあっち側のノアじゃないやつがいるとはな」
『ちょ、ちょっと待って。クロス・マリアンと密約を交わしたって…』
「…嘘か本当かは貴女が決めてくださって結構ですよ」
そんなこと言われたら混乱する。その返事は卑怯だ。
リンクの言葉にそれぞれが混乱するネアとA。
互いが疑問をぶつけ合い、言葉が飛び交っているこの状況は、まさに混沌だ。
ぐるぐると様々なことが渦巻いている頭を整理しながら必死にリンクの言葉を整理する。
確実に思ったのは、無名のノアを護るために来たのだとするなら、私の中のメモリーがいずれ消えるということは伝えない方が良いということ。
ルベリエのことだ。何か利用価値があるのを知ってのリンク派遣だろう。メモリーが消えたとなると、私はお払い箱。すぐに捕まってしまいそうな未来が容易に想像できる。
「協力者ねぇ…当たり前だけど信じられないわ」
はぁぁと大きくため息をつくなりネアは立ち上がり、髪を掻きながら私とリンクに背を向けた。
それを見ながら私はふと、リンクが顔を俯かせていることに気付く。少しだけその顔を覗こうと視線を下にやった。
「……今の貴女は、どちらですか」
とても静かに呟かれた問い。
私は一瞬躊躇ったものの、エクソシストである自分の名を伝えた。
「私が宿先で伝えたあの言葉、嘘ではないのですよ」
宿先の言葉…？
任務の話は今しがた聞いた。嘘ではないと伝えたい内容であるなら、一番最初に言っていたアレンがネアに打ち勝つ未来を見たいという言葉だろうか。
そこまで考えた私の表情を見て、リンクはぐっと唇を噛んでさらに小さな声で呟いた。
「矛盾しているのです。私の気持ちが」
『(これは…)』
これは、きっとリンクの本心だ。私が那木Aだということを信じて話してくれている。
ルベリエからの任務だろうと、さすがにリンクも中央庁のやり方に不信感を持ち始めたような、そんな感情が少しだけ読み取れた。
『…リンク』
必死に自分の気持ちと闘ってくれていたリンクに手を伸ばそうとした、その時。
視界の隅に伯爵から出ていたあの鋭利な白いものが
こちらに向かってきているのが見えた。
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あずさ - お忙しいとは思いますが、更新楽しみにしています！！ (2020年1月28日 18時) (
レス) id: dc5172fd12 (このIDを非表示/違反報告)
Rico(プロフ) - こんにちは。アレンくんと夢主ちゃんの今後が楽しみです。お忙しいかもしれませんが、更新頑張ってください！ (2019年8月17日 1時) (レス) id: 3a6a1a4cba (このIDを非表示/違反報告)
歩。(プロフ) - 更新お待ちしてます！ お忙しいとは思いますが楽しみにしています！ (2019年4月23日 4時) (レス) id: f251146aad (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 楽しみにしてます(｀･ω･´)ゞ (2018年10月20日 19時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
パオパオ - めちゃおもしろいです！！！続き楽しみにしてます！！！！ (2018年1月20日 21時) (レス) id: 89165a1c38 (このIDを非表示/違反報告)
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