【リレー小説】スカイハイ転生学園！～イースター編～ (ページ38)

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救世主の巣窟【テトラ】ページ38

突如として私の前に現れたドラゴン(闇属性)。
奴は大きな大きな咆哮をあげた。
その耳に泥水でも流し込まれているような音に、思わず耳を塞ぎたくなる声だ。
が、ここで怯んではいられない。私は『怖い』という感情を撤する。上辺だけは。
そう思って懸命に震える足に力を入れるも、足はいう事を聞かない。やはり、恐怖心は完全に消せていなかった。
足は感情に素直だ。さきほどより震えが強くなっていく。
その時、ドアノブがガチャリ、と静かに動いた。音のする方に思わず目をやった。
え、誰？
さらに敵投入とかマジで辞めて欲しい。そもそも味方の生徒だとしても会話が出来ない。
そう思ってドアの方をガン見していると、中から赤い服を着ている小さな妖精が出て来た。
ちょっと待って、妖精？！
目を凝らしてよーく見てみると、赤い服を着た妖精がふわふわ飛びながらやってきていた。
妖精は唖然とする存在空気に向かって、笑いかけながら言った。
　「こんにちは！私、真凛！貴女を助ければいいのね？」
　「あ……はい」
こういう時は、無理やりでもいいから口角をあげろ。せっかくのヒーローを不機嫌にさせ亭はいけない。
私は無理くりに口の両端を持ち上げた。妖精は「無理しなくていいのよ！」と私に笑いかけた。
あーあ、私何やってるんだろう。多分、無理やりに作った笑顔はサイアクだったに違いない。
そんな私に向ける妖精の笑顔はとても煌びやかで、お姫様らしきものを彷彿とさせるようだった。
そう思って自分が惨めに感じられてきて、うなだれる私を励ますように妖精が言う。
｢Vive La France！さぁ、もう大丈夫よ！｣
　「はい…」
最初に言ったフランス語らしき発言はなんと言っているのか判らなかった。
前世はスペイン人、今世は存在空気。そんな私には当然ながら、一ミクロですら理解できるわけがない。
とにもかくにも、目の前の小さな妖精が私を助けてくれるのならば、こちらもそれなりことをするべきである。
よーし、やるか…。
私は汗がにじむ掌をまじまじと見てから開いて握ってを繰り返す。
次に手をぶらぶらさせて…。これくらいでいいか。
妖精が「いくわよっ！」と言い、吠えるドラゴンに小さな手を翳した。
手から紫色の光線らしきものが出て来て、ドラゴンにまとわりついていく。
闇属性、か。ちょっと待て。
さっき、校庭で見えた闇で構成されいたタマゴをのせていたサーフボード。
サーフボードと妖精が繋がった。