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糜爛【鶯崎 林檎・支倉 初音】 ページ32

「集まってきましたねー」
と、あたしは段ボール箱の中に入れられたタマゴを数えながら言った。
何故段ボール箱の中をタマゴを数えているかというと、何を隠そう、あたしが転生部だからだ。
転生部で代表みたいな感じで動いていたあたしは、おおよそのタマゴの隠し場所を知っているため、イースターイベントの参加は不可。
まあ、一年と二年の時に思う存分楽しませていただきましたからね。
どうしてもやりたかったら、家でやればいいし。
その時、ヒュウっと少し強めの風が吹いてきた。風のせいで、校庭の砂が踊った。
あたしはこの風が自然に吹くような風ではないと感じた。
四月の春に、こんな強い風が吹くはずがないのである。
なんだろ?ていうか、この風どこからきてる?
と、風が吹いてきた方に目を凝らすとサーフボードらしきものが飛んできていた。
え、え、え、ちょっと待ってこれなに?
何故か飛んでくるサーフボード。その上にはちょこんとタマゴが鎮座していた。
 「せ、先生っ!」
見知らぬサーフボードの飛行に動揺し、朝礼台にもたれかかって本を読んでいる支倉先生に助けを求めた。
先生は、サーフボードに一瞬目をやると、
 「ああ、あいつの仕業か」
といってもう一度本に目線を戻した。
え、あいつって誰?
状況が全く持って呑み込めず、間抜け面をするあたしの横を、一個のタマゴをのせたサーフボードが静かに通って行った。
☆★☆★
支倉先生が本のページをめくる音が響いた。
先生は、
 「なかなか面白かったな」
と言って本をぱたりと閉じた。
ちらりと見えた表紙には、あたしには解読不能の文字が書いてあった。
先生がしおりを本から抜き取るべく、しおりが挟まったページを開いた。
中はどうなってるんだろう?
そう思って覗き込むと、また謎の文字がびっしりと並んでいた。
うわぁ…流石先生だ…。あ、そうそう。
タマゴボードはあの後、タマゴを段ボール箱に静かに入れると、跡形もなく消え去って行った。
なにかを生成することが出来る魔法を使ったのだろうと吉田松陰の転生者は言っていた。
ふーん。そんなこともできるんだね。
スカイハイ転生学園。摩訶不思議な学園だな。
三年生になった今でも、色々と知らないことがいっぱいあるのだろう、とあたしは空を見上げながら思った。

解くために参加する【数円】→←これも誰かの?【マリィ・ユノ】



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ユリイ(プロフ) - パスワードは前回同様です! (2020年5月12日 16時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
ユリイ(プロフ) - 更新しました。お話がいっぱいになりましたので、続編へ移行します。 (2020年5月12日 16時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
ユリイ(プロフ) - 更新します! (2020年5月12日 15時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
露留(プロフ) - 更新しました (2020年5月9日 20時) (レス) id: 412cf2cbe1 (このIDを非表示/違反報告)
露留(プロフ) - 更新します (2020年5月9日 20時) (レス) id: 412cf2cbe1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スカイハイ転生学園一同 x他3人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/sakyomatsu1/  
作成日時:2020年4月28日 20時

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