これも誰かの?【マリィ・ユノ】 ページ31
イースターが、始まった。
「探すぞ!」とか、「頑張ろう!」という興奮する生徒たちの声が重なり合って、一つの雄叫びと化す。
その声に圧倒されるあたしの手を引いて、ユノが走り出した。
あたしも慌てて、ユノに続いて走り出した。
ユノに連れられて入ったのは、何故か生徒会部室だった。
生徒会部室は南校舎の二階の端にあり、電気が落としてあるせいだろう、中は薄暗かった。
少しばかりか肌寒く、その上薄闇の中にいるのだから不安になった。
そんなあたしを元気づけるかのように、ユノが笑う。
その無邪気ではつらつとしているユノの笑顔を見て、自然とあたしの頬にも笑みが浮かんだ。
ちょっと不安が安らいだかもしれない。あたしのことを判ってくれるユノには感謝だ。
そうだ、とあたしは思った。
「ねえ、なんでこの部屋に来たの?」
と、聞くとユノは白い歯を見せてにっと笑った。
「灯台下暗し!」
☆★☆★
「いやー、いっぱいタマゴあったねー」
「でしょ?実は昨日、予言してたの」
「そうだったんだ」
数分後、あたし達は生徒会部室から出た。
両腕いっぱいにタマゴを抱えて。
ユノが言うには、昨日『灯台下の薄闇には生命』という予言をしたらしい。
それが、
「薄闇が、暗い部屋でしょ?生命はタマゴ。灯台下、って聞くとやっぱことわざじゃん。と、いうことは。遠くの事には気づいても、近くの事は判らずにいる。それが薄暗い部屋。うーん、判る?」
ユノはそういって話をやめた。
どうやら自分の言葉では説明しきれないと悟ったようだった。
あたしは「なんとなく」と頷いた。
もちろんすべては理解できていなかったが、話の本質ならば理解できていた。
「どっちにしろ、タマゴが5個見つかったんだからいいよねー!」
「だね」
じゃあ、段ボール箱に入れに行くぞー!と、ユノが拳を天井に向かって威勢よく突き上げた。
残りタマゴ数、79個。
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ユリイ(プロフ) - パスワードは前回同様です! (2020年5月12日 16時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
ユリイ(プロフ) - 更新しました。お話がいっぱいになりましたので、続編へ移行します。 (2020年5月12日 16時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
ユリイ(プロフ) - 更新します! (2020年5月12日 15時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
露留(プロフ) - 更新しました (2020年5月9日 20時) (レス) id: 412cf2cbe1 (このIDを非表示/違反報告)
露留(プロフ) - 更新します (2020年5月9日 20時) (レス) id: 412cf2cbe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スカイハイ転生学園一同 x他3人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/sakyomatsu1/
作成日時:2020年4月28日 20時