九十八話 ページ48
過呼吸になるなと察した左馬刻は神羅にそう声を掛けて目を閉じさせて耳を手で塞がせる。
「……で、挨拶は良い。客ってのは何奴だ。」
「は、はい、シンジュクの……」
「……嗚呼、先生か。さっさとお通ししろ。」
「は、はい！！」
なるべく部下が神羅を見ないように立ち塞がると機嫌が悪そうにそう言った。
予定より少し早くきたのか、麻天狼の三人が着いたと聞き直ぐに通すように伝えた。
「千堂、迎えが来たぞ。」
『！独歩、と、一二三、と、先生……！』
左馬刻はそう言って神羅に声を掛け、手を引っ張ってソファーに座らせる。
「……よぉ、先生。」
「…左馬刻くん。ありがとう、助かったよ。」
「神羅ッ！」
「わー独歩落ち着けって〜」
寂雷達が来る頃には左馬刻は新たに煙草を吸い始めており、煙草片手に挨拶をした。
独歩は神羅が居るということに気付くと一目散に行ってしまった。
一二三はそれの後からついて行く。
「神羅、馬鹿野郎！心配したぞ…！！」
「独歩ちん、ずぅーーっと神羅の事車ん中で心配してたんだぜ〜？」
『…う、うん…ごめんね、独歩、一二三……先生も……朝、早いのに……』
神羅は独歩と一二三に抱きつかれながらそう返答した。
「大丈夫だよ。……神羅くん、どうしてヨコハマまで来たのか記憶は……」
『……すみ、ませ、ん…………無くって…』
「……そうか、気にする事はないよ。…さて、帰ろうか。いつまでも左馬刻くんの所にいる訳にはいかないからね。」
『は、はい…』
神羅は抱き付かれたまま寂雷の質問に返す。
「…てか、神羅〜このザーヤクと知り合い？やけに慣れてるけど。」
『ぇ、と……情報屋、として、ね、知り合いなんだ。』
「テメェら幼馴染らしいがンなことも知らなかったのか。つか千堂が苦しんでるだろ、やめてやれ。」
「うわっ！？」
「あー、ザーヤクひっどーい俺っちたちから神羅っち奪った〜！ドロボー、ぼーりょくはんたーい！」
「うるせぇぞ！！…先生、早く連れて帰ってくれ……」
独歩と一二三を神羅から引き剥がすと寂雷に早く帰れと催促をする。時刻は午前6時半。部下達も起きてくるし自身も仕事と仮眠をしたいので帰ってもらいたいのだろう。
「あ、ああ。左馬刻くん、ありがとう。また今度御礼をしに来るよ。」
「……別にいいっすよ。此奴には返しきれない恩があるんでね。」
『……左馬刻、また、ね……！』
「…おう。気ぃつけて帰れよ。……神羅。」
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伏見桜(プロフ) - 鳳李千歳さん» ありがとうございます！少々雑な過去回になってしまいましたが…wこれからもよろしくお願いします！ (2020年4月6日 7時) (
レス) id: 5f2347556f (このIDを非表示/違反報告)
鳳李千歳(プロフ) - 続編おめでとうございます(≧∇≦)bこれからも頑張ってください!夢主くんの過去？がわかった瞬間驚愕しました！いつも応援してます！ (2020年4月5日 2時) (レス) id: 94a41c4f40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伏見桜 | 作成日時：2020年4月4日 11時
