九十七話 ページ47
「へぇ…んじゃあ……これならどうだ？」
『ッ！ご、ごめん、なさ……っひぁ……っく……』
「！悪かった、其処までするつもりは…」
左馬刻は突然立ち上がり神羅に近づき強く腕を掴む。が先程よりも震え、泣き始め、ソファーから落ちたので慌てて離す。情報屋、殺し屋としての彼しか見てこなかった左馬刻にとってはこんな彼は初めてであり、加減が分からないのだろう。
『っひ…す、みません…………ごめん、なさい…許して、くだ、さ……(情報屋として、頑張っても、一度壊れて仕舞えば直しても壊れ易くなる……どれだけ取り繕っても、僕は一二三の様に完璧になれない…)』
左馬刻と他の誰かを重ねてしまったのか、頭を守る様に腕を交差させ、縮こまって誰かに許しを乞う。
「お、おい、落ち着けって…千堂！」
『っひ！！ご、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいッ！！』
完璧に神羅のトラウマのトリガーを引いてしまったのか、ただひたすらに謝り続けていた。落ち着かせる為に声を掛け、近付こうとするが逆効果で更に泣かせてしまった。
「俺様を見やがれッ！」
『ッ！！ぁ……さ、さま、とき…』
左馬刻の一喝で、その黒い瞳は誰かではなく左馬刻を認識して口からその名を漏らす。
押し倒され、顔を掴まれて突然の大声で唖然と涙を流したままだったが無事トラウマから抜け出せた様だ。
「……はぁ…やっと帰ってきたか……俺様の手を煩わせるな………あとお前の敬語気持ち悪いから止めろ。情報屋にならなくて良い。」
『っ、ぐすっ…ごめ、ん…左馬刻……』
「つか今迄敬語じゃなかったのに突然敬語になりやがったのは何でだ。」
『い、入間さん、居た、し……左馬刻とは、情報屋以外で、会うのが、久しぶり…だから、どう…して良いのか、わからな、くて……』
神羅は涙を拭きながらそう言った。
「ンだよ…そんなことか…………別に気にすんな。俺は……………オイ、テメェ誰の許可取って俺様の部屋に入りやがった？」
「ッあ、兄貴…いや、あの、朝のご挨拶とお客人を、と……お、お取り込み中っしたか……」
「あ"？？………………あー…千堂、大丈夫だ、落ち着け。取り敢えず目と耳塞いでろ。」
神羅を勢いで床に押し倒したまま話をしていた左馬刻は部下の一人が午前6時になった為挨拶をしにきたのだが、神羅を女と勘違いしてそんな発言をしてしまう。
対する神羅は突然人間が来たとわかりヒュッと過呼吸になり掛け、呼吸が荒くなる。
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伏見桜(プロフ) - 鳳李千歳さん» ありがとうございます！少々雑な過去回になってしまいましたが…wこれからもよろしくお願いします！ (2020年4月6日 7時) (
レス) id: 5f2347556f (このIDを非表示/違反報告)
鳳李千歳(プロフ) - 続編おめでとうございます(≧∇≦)bこれからも頑張ってください!夢主くんの過去？がわかった瞬間驚愕しました！いつも応援してます！ (2020年4月5日 2時) (レス) id: 94a41c4f40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伏見桜 | 作成日時：2020年4月4日 11時
