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六十七話、写真 ページ17

「ごめんって…!…………あ、此処だよ〜!」

乱数はそう言って小さい雑居ビルの中に迷わず入っていく。プリクラやゲームセンターがある場所だとは到底思えないが……。

此処にはエレベーターは無く、階段のみなので神羅は一二三に、車椅子は乱数に持たれた。
割とよく持ち上げられる事の多い神羅は恥じらいは最早無く、ただただ申し訳なさに苛まれていた。


「ん〜これかなぁ〜」


乱数は飴を舐めながら幾つもあるプリクラを見比べてある一つを選ぶ。

プリクラ、などというものが初めてな一二三と神羅は戸惑いながらも乱数の後についていった。


「二人共帽子取って〜、そうそう、で、ほら、ボクみたいにこういうポーズ!そう、良いよ、であのカメラ見て〜!」

「こ、こう……」

『は、はい……』


乱数に帽子を取られた二人は言われた通りピース(神羅だけダブルピース)をした。神羅は車椅子に座ったままなので、それを挟むように右に乱数、左に一二三という並びであった。

そんな調子でプリクラを撮って行った三人であった。

「らっくがっきターイム!二人はラクガキ、する?」

「んー、俺っちはよくわかんないからやめとく。」

『ぼ、僕も、飴村さんの、お好き、な、ように……』

「えー、……ま、いいや。日付とー、名前とー、あとはー…………ざまぁでいいかな」

撮影場所とは反対の裏手にきた乱数達はラクガキ機能について話し始める。流石は乱数、と言うべきだろうか、手慣れた作業のようで手早く日付、三人の名前とデコレーションをしていった。
最後のざまぁというのは寂雷に向けてだろう。


「さ、流石にそれはまずいっしょ……」

多少作業方法を知っていたのか、一二三は慌てて残り十秒でざまぁだけを消した。


「あー!ひっどぉい!ボクの渾身の台詞が〜!」

「……人生初のプリクラでざまぁって書かれる俺っち達の身にもなってくれ?」

「あっははー、そんなの知らないもーん!ま、文章で送ればいっかー。」

「(メンゴ、センセー……俺っちに飴村乱数は止められなかったよ…)」


乱数は自身のスマホにプリクラの画像を取り込みながら印刷を待っていた。

「あ、ねぇねぇ、今丁度お八つ時じゃん?ついでにボクのポッセとも会ってかない??」

「……飴村乱数、神羅っち結構ギリギリだからあまりそういうのは…」

「もー、だから一二三には聞いてないのー、過保護な保護者?……ね、神羅、どうする?」

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伏見桜(プロフ) - 鳳李千歳さん» ありがとうございます!少々雑な過去回になってしまいましたが…wこれからもよろしくお願いします! (2020年4月6日 7時) (レス) id: 5f2347556f (このIDを非表示/違反報告)
鳳李千歳(プロフ) - 続編おめでとうございます(≧∇≦)bこれからも頑張ってください!夢主くんの過去?がわかった瞬間驚愕しました!いつも応援してます! (2020年4月5日 2時) (レス) id: 94a41c4f40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伏見桜 | 作成日時:2020年4月4日 11時

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