確かな芽 ページ12
ところ変わって公園。
「…どこ行く？」
『え？決めて下さってたんじゃなかったんですか』
私たちはベンチに腰かけていた。
「いや、とりあえず連れだしてくれって言われたから逃げただけ」
『56しますよ』
「返り討ちにしたるわ」
『はいすみません勘弁して下さい』
「分かった許す。んでどうするん？俺ん家来る？」
『え？いいんですか？』
「おん。親父が単身赴任してるからあの女泊まりがけの出張とかほざいて男と遊んどんねん。笑うしかないわ」
"あの女"とは母親のことだろうか。
やはりどれほど優しかろうと不良としての何かがあるのだろう、口調は間違いなく本物のそれだ。
『じゃあ…誰もいないんですか？』
「おん。多分な」
『じゃあ入れて頂けるとありがたいです、非常に』
「じゃあ行こ。この公園、家から結構近いから…せやな、五分くらい歩けば着くで」
『分かりました。運んでもらうのも申し訳ないんで歩きますねすみません』
「いや当たり前やで？」
『ここ…ですか。立派ですね』
「え？普通やけど」
ああそうだった。
普通の人にはこれが普通なんだった。
受験の為に徹底的に節約し、それでも落ちた私とは違うのか。
少し、いやかなり気分が落ちた。少し呼吸も浅くなったが気合いで平静を装って返す。
『…そうですか？私から見たらどんな家よりも大きくて材質もいいですけど』
「はいお世辞」
『え？お寿司奢ってくれるんですか？』
「次なんか抜かしたら殴るで？」
『あっ…すみません黙ります』
「いやww大丈夫やぞww逆に急に黙られると気まずくなるやん」
『ですよね』
『おじゃましまーす…』
「おん。俺も暇潰しになるしゆっくりしてってええよ、泊まってもええし」
『いや…着替えとご飯の問題がありますけど』
「大丈夫大丈夫。誰かから借りるから」
『誰かとは』
「せやなー…ちょうどメンバーの身長と違うところを抜けていってるから…ロボロに借りる？」
『え？と言われますと』
「うん。ロボロが一番身長近いんちゃう？ちょっと小さいけど我慢してな」
いやいやそういう問題じゃないです。
せめて女性用にして頂けませんかね？？？
という希望虚しく洋服が決まってしまった。
パーカーはゾムさんの、ジーンズや靴下などをロボロさんに借りるそうだ。
ちなみに下着は近くの店で私が調達してきた。少しお金を持っていたのが幸いしたようで借りずに済んだのは今日の良かったことだ。
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雪姫(プロフ) - 小説面白くて大好きです。投稿頑張って下さい。名前を何回設定しても今中燐のままです。何故だか分かりませんか？ (2020年6月23日 16時) (
レス) id: ef862af7e8 (このIDを非表示/違反報告)
まめの(プロフ) - ベルサイコカノンさん» 更新あざす(大声) (2019年5月31日 21時) (レス) id: f4614453c1 (このIDを非表示/違反報告)
ベルサイコカノン(プロフ) - まめのさん» ドンドン長くしてくれてもいいですよは草w あざす(小声) (2019年5月29日 21時) (レス) id: aef7678478 (このIDを非表示/違反報告)
まめの(プロフ) - ベルサイコカノンさん» な、なんか頼まれた…ww逆にﾄﾞﾝﾄﾞﾝ長くしてくれてもいいんだぞwkwk (2019年5月25日 13時) (レス) id: f4614453c1 (このIDを非表示/違反報告)
ベルサイコカノン(プロフ) - まめのさん» レス遅れ申し訳ないです。多分うんざりするくらい長くなるはずですが私は書きます。後は頼みました() (2019年5月24日 22時) (レス) id: 7c4785a38b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベルサイコカノン | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/bellkanon5/
作成日時：2019年4月28日 21時
