検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:2,347 hit

命ばっかり ページ1

「おはよう」

「…おはよう」

お互い仕事をしている。そしてそこから価値が捻出される貴重な休日を意味もなくすりつぶしている。

といっても普通のカップルのようにはしない。上手く説明出来ないがおかしくなってしまった。

「愛してるよ」

嘘だ、と思う。

ただお互いの感情を確かめるだけの口先だけだ。そんなのは嫌だ。と欲を出す。

「うん」

それでも口から零れ落ちたのはそんな一言であったことに苛立ちを覚える。

でも、これ以上求めるなら。

これだけじゃないなら。

なんだって出来るはずだ、と諦める。


ある日二人は旅に出た。

といっても夜の町をどこまでも歩くだけだが。

途中で眠りこけて夜を越し、動けなくなってしまった男のことなど忘れて夢中で女は歩き出す。

途中で女は思いを馳せる。

その二人は確かに満たされていた。

お互いが高学歴、高収入。浮気もない。理想だった。

それ故に好奇心がなかった。

だから面白さ、新鮮さがなかった。

彼らは賢明であるがゆえに全てを悟っていた。

彼らは、"知らない"を知らなかったのだ。

命ばっかり→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:自己解釈 , ぬゆり , ボカロ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ベルサイコカノン x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/bellkanon5  
作成日時:2019年2月3日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。