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それで…















『あっ…』





思い出した






思い出してしまった


そうだ



なんでこんなこと 忘れてたんだろう


















王馬君は去年の夏休みに私に深いトラウマを残していったのだ



新聞になりかけたのを覚えている






「〇〇中学校少女誘拐軟禁事件」

というタイトルで刷りだされそうになったところを希望ヶ峰学園が揉み消した




ダラダラと止まらない汗を見て何か勘づいたのか王馬君が手を掴む力を更に強める



















『思い出しちゃった?』






全身の鳥肌がブワッと立ったのを覚えている






逃げないと





そう思っていても華奢な体からは想像つかない力が私の腕を掴んでいる



『いやっ!!離して!』

震える声を押し留め気丈に振る舞う

『あーあ、その様子だと全部思い出しちゃったか』




はぁ、とため息をつき 何処か他人事のような気配をだす王馬君にゾッとする







『なんで?…なんであんなことをしたの!』






『なんで…って、Aちゃんがオレにそんなことさせたんでしょ?』




分からない




王馬君のことが分からない






『うッ…』


頭がズキンズキンと痛くなる


まだ何か思い出せていないようだ




一つ一つ脳内の記憶を確認していく


確か、あれは中学2年生の夏

.→←.



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作者名:オルオル | 作成日時:2023年9月29日 23時

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