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『いや……それはどうだろう…』
『うわ〜〜〜ん!!!!』
更に泣き叫ぶ王馬君の背中を撫でなる
『あ〜、ウソウソ!さっきのあれ嘘だから!』
とりあえず今は王馬君を落ち着かせるためのその場しのぎの嘘をつく
『オレのこと好きじゃないくせに!優しくするなよ〜〜!!』
訳の分からない事を言っている王馬君をなだめるべく更に嘘を重ねる
『大丈夫だから!さっきの嘘!!王馬君の事好きだよ!!』
私がこのセリフを言った途端、王馬君はスンッと泣き止んだ
そして
『あっやっぱり?オレもAちゃんのことだぁいすき!!相思相愛だね、オレら』
そう言って私の腰から離れる
またそんなこと言って…私の事をからかっているんだろう
『ウンウン、ダイスキーダイスキー』
とりあえず言われた言葉をオウム返ししつつ、横を通り過ぎる
『っじゃあさ!』
手を後ろにグイッと引っ張られる
『っ…!?』
後ろを振り返ると上目遣いの王馬君が
『オレと付き合ってよ!』
『……は?』
えっ、ちょっ
『なに…いってんの?』
『だーかーらー!オレも〇〇ちゃんもお互い好き同士なんでしょ?じゃあオレら付き合った方がいいと思うんだよねー』
『あっ、好きってそう言う…』
どうやら
『うん!そうだよーちなみにこれはウソじゃないよ…ホントだよ?』
勘違いしていたみたいだ
王馬君は私の事が好きだ
それに気づかないほど鈍感思考じゃない
それは自意識過剰なんかじゃなくて本当の事だ、だからこんな放課後まで残ったり、私が好きな子と喋っているときにちょっかいをかけるんだろう
今までの彼の行動を思い返せば分かることなのに今まで気づけなかったのが不思議な位だ
『ねぇねぇ?返事まだー?』
そう言いながら私の両手をギュッと力強いまでに握りしめる王馬君
そういえば前に超高校級の哲学者の彼女がいたときとても話題になったのを覚えている
哲学者の方は顔も良かったし超高校級だったのでその彼女ともなれば世間がウワサするのも無理なかった
そして今、中学3年生の秋、王馬君はあの希望ヶ峰学園へ行くことが約束されている
私は目立つのが苦手だ
今回もし王馬君が私の好きな人だったとしても告白の答えにはかなり迷っただろう
ふと視線を下に向けると王馬君と目があう
今まで見たこともないような真剣な顔で私を見つめている
けど
『…ごめんね?王馬君、私…こういう物に慣れてなくて…
あと、好きな人がいるんだ』
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作者名:オルオル | 作成日時:2023年9月29日 23時