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『王馬君……』

『やっほーAちゃん!昨日ぶりー』

いつものように笑顔で言う

『よかったら一緒に昼飯食べようよ』

自分の口から出ている言葉が一瞬ワケがわからなかったがすぐに理解した

王馬君は一瞬驚いたような顔をした後ニコニコしながら

『でもAちゃんもうご飯食べ終わってるじゃん!今日のオレは優しくないからもうあげないよ?』

『いいからっ…』

そんなこんなしていると王馬君は両手に持っていたものを私に渡した。

『えっ?』

『あっ!勘違いしないでね?今から開けるからもっといてって意味だよ?』

『ああ…そう』

そう言いながら屋上の扉を開ける

『よし、じゃあ行こうか』

荷物を私に寄越したまま扉を開け、屋上のど真ん中に座る









『それ持ってきてよー!』

言われたとおりに持っていくそれで今日も王馬君の話を聞く





王馬君と話している間は両親の事も忘れられることに気付いたのは、弁当が始まって一週間くらいだった。

その頃には△△君と王馬君が同じ位好きになっていた…と思う












ある日、いつもと同じように私と王馬君が屋上で弁当を食べていると





キーンコーンカーンコーン

『あっ』

いつもより短く感じる昼時間に少し残念に思いながらも残りの弁当を急いで食べる







『ねぇねぇAちゃん今日オレの家に来ない?』

『んー?ちょっと待って』

王馬君の家…かぁ

前に行ったときに軟禁されたんだよなぁ

『…今回は本気だよ』

いつもに増して、真剣な目の王馬君と目があった


『オレはね?Aちゃんのことを心配しているんだ』

私の目を見ながら問いかけてくる王馬君

確かに最近の王馬君は凄く優しかった

『Aちゃんも2日前に話してくれたよね?親のいる家に帰るのが辛いって…』

『うん』

ここ一週間で私は王馬君にだいぶ絆されたみたいだ

『オレは確かに嘘つきだよ?でもさ?好きな子が困っているのを無視…はできないよ』



そう言いながら顔を赤らめる王馬君にこっちもつられて赤くなる

『王馬君……』




『だからさ、今からオレの家に行こうよ』


『えっ!?今から?』


急に提案してきた王馬君に驚きつつもその場の状況に流されながらも学校の正門を抜ける

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作者名:オルオル | 作成日時:2023年9月29日 23時

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