旅人 [忍たま] (ページ30)

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勝敗ページ30

中々、試合が終わらないが
私は怪我を負っていく

「七松小平太せんぱーい
頑張ってくださーい‼」
一年生が視界に入る
もう全校生徒集まってんじゃないよね⁉

「おう！」
呑気に返事をするが
私の一瞬の動揺を見逃すはずもなく
拳が飛んでくる

七松さんの拳を避けきれず
頭を強くぶたれた
「Aちゃん‼」

顔面を狙ってきてるし
私一応女ですけどね
「頑張ってください、野平先輩」

ぼそぼそと私を応援してくれる
くの一の子達
「はっはー、あー可笑しい」
くらくらする、頭が可笑しくなった

私は、最後の攻撃に出た

noside

「な、何が起こった」
側で見ていた木下先生でさえ見えなかった

「...まいったのう」
若い頃は天才忍者と謳われていたが
今もけっしておちていない学園長も

誰も見えなかった
土埃の中でも見えていた筈なのに
分かるのは、今七松小平太の首に
小刀が当てられてること

教師陣の背中には嫌な汗が流れた

side終了

「終わったー」
決めれて良かった、背負い投げ
私は小刀をしまい
七松さんからも離れた

「ありがとうございました」
私は軽く頭を下げて、司会の方へ行く

近づくつれ、ユキとトモミは肩に力を入れてる
「ありがとう、応援してくれて」
二人の頭を撫でる
「嬉しくなったよ」
二人は私の顔を見つめて固まった

それから、くの一教室の後輩たちのところにも行き
お礼と嬉しかったと伝えて
麻代の所に行った

「はっはー、鼻でてんぞ」
「Aちゃん、怖かったよ」
ハンカチを渡し、頭を撫でる
「はっは、だって私
野平Aだし」
どや顔で笑うと
「なにそれ、」
麻代も泣きながら笑った

「お前、無理するな」
ヒョイっと七松さんに横抱きされた
「怪我はないですか」
「それは、お前がわかってるだろ、
私は一時的の痛みだ」
私はそれを聞くと、頭巾を外し
口に当て血を吐く

絶対いつもの私ならしないだろう
私は七松さんの胸を借りた