～知り合い以上友達未満～【殺戮の天使】 (ページ10)

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９話(回想) ページ10

―――私は、日本の、ごく普通の家庭で生まれた。

私の母は日本人、父は...イタリア人....だったと思う。

だから私の髪も茶色なわけだが。

...だからと言って凄く珍しいわけでもないし、「へぇ、そうなんだ。」ぐらいで終わるだろう。

だがある日.....すべてが壊れた。

私が7歳くらいの頃、小学２年生くらいか.....父は、母と私を捨て、故郷へ帰った。

.....それからだ、地獄が始まったのは。

「何してるの！！」

バシッ

『っ....ごめんなさい....』

母は、たびたび私に暴力を振るうようになった。これが虐待ってやつか。←

毎日毎日、怒鳴られ、叩かれた。痛いし、辛かった。

明日を迎えるのが怖かった。

「おはよう、Aちゃん！」

『.....おはよう....』

しだいに私は....心を塞ぐようになった。

――――３年生の夏休み.....私はどこかもわからない海外の、孤児院に預けられた。

いや、預けられた、というより、捨てられたのか。

そのまま母は帰って行った。

学校には....転校するとでも言ったのかな.....

....今となっては、もう何もわからないけど。

――――――――その孤児院も最悪だった。

食べ物もろくに与えず、私達を人間とは思ってなかった。

もうこれは、孤児院というより監獄だ。

そこには、“化け物”と呼ばれる男の子もいた。

彼は、死んだ子供たちを埋める仕事をさせられていた。

包帯を上半身にいつも巻いていたため、体についた泥や土は良く目立った。
おまけにおふろにも入れてないし。←

でも....私は彼を嫌悪したことはなかった。

だって...............私と彼は仲間だと、

“唯一の友達”と、

そう..........思っていたから。

けど違った。

彼は...............

―――――ヒャハハハハッッ！！！

『.......』

ただ一つ、思うことがある。

レ「元の小鳥に、治してあげないと.....

大丈夫だよ、もう痛くないから。」

レイも彼も....私も。

レ「私の小鳥に.....

“直して”あげる。」

全員似たようなものかもしれない。