15後半からシリアスはどこかへ飛んで行った。 ページ17
『迎えにきてくれてありがとうね!
鍛錬終わりで疲れてるのにわざわざごめんね?』
こう言ってはなんだが、笑顔を作るのは私の特技でもある。
昔から都合良く出せるこの笑顔に“みんな”よく騙されていた。
その“みんな”の事を私はもう顔も思い出せないのだけれど。
『…あ、ここ擦りむいてるよ?ここも!
家に着いたら手当しなきゃね!!』
沢山ある傷を目で追ったあと、炭治郎くんの顔を見た。
…そんなに傷が痛むのかな?
なんて、そこまで私は鈍感ではない。
今にも泣き出しそうなほど顔を歪めた炭治郎くんと目があった。
鼻が効いてしまう彼は、私から発せられてる何かしらの匂いできっと心情の一部を感じ取ってしまったのだろう。
優しい人だ。
ごめんな、ネガティヴで。
炭「…君の方が何倍も重症だろう。」
…いや左腕に関しては本当ごめんなまじで心配かけて
頼むからそんなに左腕を見ないでくれ罪悪感が凄い。
炭「…今日、俺が鍛錬に行く前に言った事覚えてるか?」
…ええ、覚えてますとも。
貴方達を応援してきたヲタクとしてはずっと傍に(頼まれなくても)居たいのだけれど、
今の私はこの世界で生きる意味を少し見つけた気がするんだ。
だから
『…約束はできないよ、炭治郎くん。』
炭治郎くんの大きな目がより一層見開かれた。
その小さな眉間に皺を寄せて。
息を吐き出せないのか、音もしない程小さく息を呑み、私の次の言葉を待っているようだった。
『…私ね、鬼殺隊に入ろうと思うんだ…
だから、炭治郎くんとの約束はできない』
もっと強くなって、貴方達を助けたい。
私がここから居なくなるその時まで。
渾身の微笑みを浮かべ炭治郎くん右頬へと手を伸ばす。
寒さで紅くなった頬っぺたは氷のように冷たかった。
『…一緒に頑張ろ…「駄目だ!!!」(嘘だろ???)え、なんで…』
まって、物凄い勢いで右手を引っ叩かれた痛い!なんで???ちょっといい雰囲気だったじゃん(とか言ったら怒られるな)
結構それ傷つく行動なんだけど??
炭「…っいや、その、鬼殺隊が駄目なんじゃなくて……寧ろ一緒にいれるから俺が守ることもできるし………その…」
…鬼殺隊に反対では無いのね、良かった
でもだったらなんで私はしっぺを食らわされたの。
炭「……急に頰に触れたから…その、恥ずかしくて…」
ん"ん"ん"?ごほっげほっ
『…くそかわいい。』
頰がゆでダコのようになってしまった
思春期の推しは可愛かった。
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かなみ(プロフ) - #egg/たまごさん» 書いてて自分でも恥ずかしくなるくらいとんでもねぇ長男です(笑)こちらこそ、お立ち寄りいただきコメントまでいただいてありがとうございました!!これからも頑張ります!!! (2020年3月9日 1時) (レス) id: b605df076c (このIDを非表示/違反報告)
#egg/たまご(プロフ) - とんでもねぇ炭次郎ですね!(最上級の褒め)素敵な小説ありがとうございます!更新頑張ってください! (2020年3月3日 9時) (レス) id: fef018cdc2 (このIDを非表示/違反報告)
かなみ(プロフ) - くりりんさん» めちゃくちゃ返信遅くなってすみません!コメントありがとうございました!!これからも頑張って更新かけていきますので、どうぞよろしくお願いします!!! (2020年3月1日 23時) (レス) id: b605df076c (このIDを非表示/違反報告)
くりりん - コメント失礼します。これから主人公はどうなっていくのか楽しみです!ワクワク(*'▽'*)炭治郎が距離感近いのもドキドキします(//∇//)これからの展開も楽しみにしてます!!更新頑張って下さい!!! (2020年1月8日 8時) (レス) id: c6b331e09a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かなみ | 作成日時:2019年11月22日 0時