【文スト】真夜中の純潔２

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ポートマフィアのビルの自室で、今日の予定をおさらいした。


運がいいのか悪いのか、今日は太宰さんと真逆のスケジュールで動くことになっている。

分かりやすく云えば、太宰さんは昼に任務があって、わたしは夜に任務がある。そういうこと。



せめて、朝の挨拶くらいするべきかなとは思ったが、昨夜のことを思い返すと中々に億劫で足がすくんだ。

忙しかったということにしておけばオールオッケーだ。何も問題などない。ごめん、許して。


ブラウスの紅いリボンを結い直した。


そういえば、今日わたしと任務に同行する人、太宰さんと犬猿の仲だとかなんとか云う人なんだけど。

見た事はあるような気もするけど、
一緒に仕事をするのは初めてだった。

よく太宰さんから例の彼の愚痴を聞くが、彼から聞く悪口を擬人化したら、わたしの想像の中でとんでもない輩が誕生してしまった。



あー、そうだ。この書類今日までだったっけ。
目の前の紙切れに記された締切厳守を指でなぞった。


違うよ、仕事が溜まってるわけじゃないからね。

わたしはそれなりに仕事が出来る方だと思ってるし、上の人間からも程よく愛されていると思う。

でも、一寸(ちょっと)先週は過剰労働(ハードワーク)だったかなって。
毎日2、3枚の報告書を作成しているが、間に合わない。

一日を24時間に設定したやつ誰だよ。
出てこいよ、もっかいお姉さんと考え直そ？？


「はあ、」


任務までにチャチャッと終わらせて、今日もバーで夜遊びしちゃお。



悪い女は、

紅い爪をした指先で煙草に火をつけて煙を嗜んだ。

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