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173訓 女の子だって嫉妬する* ページ28

ーーAside


(ん?あれ?)


私は心地よい温かさと一定のリズムで揺れる身体で目を覚ました。


(あれ?確か私・・・)


私は目を開けて目の前を見てみれば見慣れた薄茶色のサラサラ髪が見えた。
あぁ、私おぶられてるんだと気づいた。


(総悟?)


総悟!と声をかけようと思ったがある事を思い出した。


(そうだ!私総悟に聞こうと思ったんだった。それで待ち構えてたのにまた寝ちゃったんだ)


そう思ってドッキリがてら目隠しでもして驚かしてやろうかと思ったが私はある事に気づいた。


(・・・あれ?)


声をかけるのをやめた。
きっと声を出してはいけない気がする。
だって・・


(何・・この甘い匂い・・総悟の服からする)


総悟の服から嗅ぎ慣れない香水の匂いがした。
え・・まさか・・でも・・
心の中で黒いモヤモヤが渦巻く。
最近の総悟の態度が変な事も仕事を熱心にやる事も夜にいなくなることも全部この香水につながってしまった。


(・・まさか・・浮気?)


黒いモヤモヤはどんどん広がっていくのがわかる。
多分これが嫉妬という感情だという事も自分でもわかる。
起きてるなら声かけて


「どこ言ってたの?最近変だよ?何か隠してるでしょ?この匂いは何?」


って聞けばいいのに聞かない理由は


(めんどくさい重い女だと言われたくない)


から。
すると揺れが止まった事に気づき目線だけ周りを見れば私の部屋に着いたようだ。


(ね、寝たフリしなきゃ!)


そう思って私は寝たフリを決め込む事に。


総悟「・・たく、テメェも飽きねえですね。こんな真冬に何回廊下で寝りゃあ気がすむんでぃ・・バカか?」


そんな私を布団に下ろすと掛け布団をかけたようで温かくなる。


(もしかしてここ数日私を部屋に運んでくれたのって・・総悟?)


総悟「はぁ三日後・・いやもう二日後の件どうしやすかね・・」


ボソリと呟かれた総悟の声に二日後に何があったか考える。


(討ち入りの日だ)


総悟「テメェになんて言いだせばいいかわからねぇや」


言い出せばという言葉を聞き今までの黒いモヤモヤがついに真っ黒に染まるわけで


(まさか・・別れ話?)


総悟「・・あ、もうこんな時間か」


隣で座っていた総悟が立ち上がったのがわかった。


総悟「はぁ」


大きなため息をついて部屋の襖が閉まった音がしたのを確認した私はソッと目を開ける。


「・・・どうしよ」


その言葉は部屋に消えた。

174訓 好きって気持ちを再確認してみる*→←172訓 何かをやるためにはそれ相応の代償が必要*



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沖田いずみ(プロフ) - おおのさん» コメありがとうございます(^ ^)リク使わせていただきます!!お待たせしますがお待ち下さい! (2016年12月13日 22時) (レス) id: 028374920b (このIDを非表示/違反報告)
おおの - いつも楽しく読ませていただいています!亀更新でも大丈夫なのでこれからも続けて言ってほしいです! そこで1つリクエストなのですが 総悟が主人公にドッキリを仕掛けてのloveが読んでみたいです。 (2016年12月13日 16時) (レス) id: 4f867c4ff2 (このIDを非表示/違反報告)
龍鹿(プロフ) - 原作沿いって良いですね!面白いです!頑張ってください! (2016年11月23日 11時) (レス) id: de7dc4b16d (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 続編おめでとうございます! 遂に、4までいきましたね!これからも楽しみにしてます。更新頑張って下さい! (2016年10月19日 18時) (レス) id: 1847792d84 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沖田いずみ | 作成日時:2016年10月19日 14時

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