【あんスタ】ゆっくり、ゆったり、のんびりと【朔間零】 (ページ4)

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2話ページ4

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「__しかし、何時見ても感心するな、

悠前の反省文は。

…まあそれが本音ならの話だが」

『えへん。』

「誉めてないぞ」

放課後の生徒会室。

大きな窓から陽光が差し込み、

窓の真ん前に立つ敬人から

後光が出ているようにも見えて、

思わず笑ってしまいそうになる光景。

Aはそれを、

床に正座し見上げながら、けらけらと笑っていた。

「…何が面白い。」

『お釈迦様みたいだねぇ、ふふ』

口を手で隠し、蜂蜜色の眼を細めて

愉快そうに笑う彼女に

敬人の手に有る書類(もとい反省文)が、

音を起てて握り潰された。

「俺の額に黒子でもあったか!」

『ああ、そっちにいっちゃうのかー。

ふふ、わたしが言いたいのはねぇ、ケイティ。

後光が出てる様にみえるよ、

ってことなんだよねぇ。あはは』

知らなかったの？と微笑みながら、

Aは細く白い指で宙をなぞる。

よく分からない動きをする指と

背後の暮れかかる太陽を交互に見やり、

敬人は納得したような顔つきになる。

しかし、すぐに我に帰ったように

Aを睨め付けると、

「次廊下を走ったときは

これの倍の量の原稿用紙が待っているからな」

と言い、眼鏡をくいっと持ち上げた。

『…それにしても、

廊下走っただけで反省文なんてねー…

これケイティ全部読むの？』

「いや、流石に全てには目を通さない。

他にも仕事は山程有るからな。」

『…ふぅん、じゃあさぁ、

なんでわたしのは読んでくれたの？』

「…たまたま時間が有っただけだ」

『そっかそっかー』

そういう敬人の机の上には、

束の書類やら印鑑やらの仕事の形跡があった。