最後の花を、あなたに。【鬼滅の刃】

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そこからはしばらく会っていなかったのもあって、それぞれの近況報告やら何やらを話して楽しんだ。







煉獄さんや宇髄さんは優しいから、なんでも話してしまいそうになる。








自分の病を忘れた頃に、あの話が出た。






｢そうだ、今度は3人でメシを食いに行こう！煉獄の奢りでな！！｣







｢よもや！！！｣







未来の、話。





未来の話をすることなど当たり前で、いや当たり前だと思っていた。








先の話をすることが、
こんなにも特別だったなんて。









(自分が死ぬと分かってから気付くなんて、恥ずかしい限りだな)








｢水瀬？おい聞いてるか？ボーッとしてんなよ？｣






｢あ、すみません、なんの話しでしたか｣








｢いや、その話はもう構わん！が、どうした。
今日はなんだか心ここに在らずだぞ、悩み事か？｣








｢い、いえ悩みなんて無いですよ｣







｢本当かぁ？お前がボーッとしてることなんか珍しいからな、辛いこととかあったらなんでも言えよ、聞いてやるから｣








2人の優しさに甘えたくなる。でもだめだ。







多分、これ以上ここにいてはボロが出てしまう。







私は嘘が苦手だから、すぐにバレてしまうだろう。








本当はまだ、2人と話してたい、その暖かな笑顔をもう少しだけ見ていたい。けど、







｢そろそろ帰りますね。
あ、サツマイモ持ってきたんです、弟君に預けました。ぜひ、皆で食べてくださいね｣









もう切り上げなくては、自分はいつまでもここにいてしまう。









そう思い立ち上がって、部屋の外に出ようとした。

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