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「待ちなさい」
煉獄さんが腕をつかみ、外に出ようとする私の足を止めた。太陽のように煌めく瞳が、逃がすまいと私の目を捕らえた。
あぁ、この瞳は苦手だ。
何もかも見透かされてる気分になる。
「あ、あの?」
「本当に何も無いのか?明らかに、いつもの君より元気がないように見えるが。
言いにくい、事なのか?
俺は男だからな、もし言いにくかったら胡蝶辺りに相談するといい。
本当は聞いてやりたいがな、」
「まぁ、人にはそれぞれ言いたくないことだってあるわな。でも人に甘えるだけでも違うぜ?お前は1人で背負いすぎる所があるからなぁ、俺らだってお前の年上なんだし、ていうか先輩なんだし。
いくらでも頼れよ」
ああ、嫌だな、本当に嫌だ。
そんなこと言われたら言いたくなる。
今すぐ全部吐露して、泣きじゃくって、皆に甘えたくなる。
死にたく、ないよ。
「実は腰が痛くて、痛みのせいで話に集中出来なかったんです。体調管理も出来ていないと思われるのが嫌で黙ってたんですよ、」
恥ずかしい、と笑えば煉獄さんも宇髄さんもなんだそんなことか、と笑って手を離してくれた。
「いやなんだ、すまない。
君がこのまま消えてしまうような気がしてな、つい引き止めてしまった。
よもや、穴があったら入りたい!!」
大正解だ。
私はこのあと消えるのだから。
「それじゃあ水瀬、また今度メシ行こうな!」
「はい、また」
お兄さんのような2人が、私は大好きだ。
最後にまた会えるなんて、嘘を言ってしまってごめんなさい。
「宇髄さん、お嫁さんによろしくお伝えください。
煉獄さんも、弟君によろしくお伝えください。」
最後に貴方達の笑顔が見れて、良かった。
「どうかお二人共、いつまでもお元気でいてくださいね」
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なーな - 初見です! 完結お疲れ様でした!めちゃくちゃおもしろかったし感動で涙でしたっっっ!!! 素敵な小説をありがとうございました! (2021年11月30日 15時) (レス) @page45 id: 03957af64f (このIDを非表示/違反報告)
もちゃ - 泣いちゃったw (2021年1月25日 0時) (レス) id: b4bfec10e3 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎもち - 号泣しすぎて...う"う"う" (2021年1月20日 22時) (レス) id: 676d0f88d2 (このIDを非表示/違反報告)
さけふろ - 感動です! (2021年1月11日 15時) (レス) id: c7bf1c88de (このIDを非表示/違反報告)
夢鸞 - 号泣です。素晴らしいお話、ありがとうございました。 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 640116ca2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナ | 作成日時:2019年9月30日 13時