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『辛い時ほど笑うといいぞ!!派手にな!!』
「宇髄、さん」
こんな時まで私に力をくれるんですね。
口角をぎゅっと引き上げ、笑みを浮かべる。
不思議と痛みが和らいだ気がした。
『『Aちゃん、大好きよ/です』』
しのぶちゃん、蜜璃ちゃん、私もよ。
私もあなた達が大好き。
2人の笑った顔が浮かんで、痛みがまた少し、和らぐ。
『集中』
煉獄さん、分かってます。
あなたの言う通り、集中してないと気を遣りそうです、水瀬はもう少し頑張りますよ。
『…泣いてもいい。前を向けるのなら』
冨岡さん、やだなぁ、そんなこと言われたら、私いつまでも泣いちゃいますよ。
『『このアホが』』
そうですね、不死川さん、伊黒さん。
私、かなりアホかもしれないですね。
2人は私の事、貶してるはずなのに…その中にも愛を感じちゃうなんて、おかしいですね。
『Aさんの声、僕好きだなァ』
時透くん。
私もあなたの声が大好き。
貴方の笑顔や声を思い出すとね、元気がでたの。
今もそう。
痛みがね、和らぐの。
本当なんだよ。
『無茶ばかりをしていてはならぬ…』
ごめんなさい、悲鳴嶼さん。
いつもなら聞き入れるんですけど、今日だけは許して。
【水瀬】
あァ、離れてなおも皆さんは私に力をくれる。
皆の声に、背を押される。
頑張れ、頑張れ私。
あと少しだから。
一歩一歩、踏みしめて山道を歩く。
そして、最後の一歩を踏み出すと…視界が開け、目の前にあの花畑が現れた。
あの時と変わらず、強く、そして儚げに咲く花達に安堵する。
「あぁ、着いた」
足はもうほとんど上がらない。
引き摺るようにして花畑の中へと入っていく。
丁度中心部分へとたどり着いた時、足がもつれて倒れ込んでしまった。
起き上がろうと体に力を込めるが、もう駄目だった。
身体がまるで言うことを聞かない。
仕方なく、そのまま明るくなる東を静かに見つめる。
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なーな - 初見です! 完結お疲れ様でした!めちゃくちゃおもしろかったし感動で涙でしたっっっ!!! 素敵な小説をありがとうございました! (2021年11月30日 15時) (レス) @page45 id: 03957af64f (このIDを非表示/違反報告)
もちゃ - 泣いちゃったw (2021年1月25日 0時) (レス) id: b4bfec10e3 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎもち - 号泣しすぎて...う"う"う" (2021年1月20日 22時) (レス) id: 676d0f88d2 (このIDを非表示/違反報告)
さけふろ - 感動です! (2021年1月11日 15時) (レス) id: c7bf1c88de (このIDを非表示/違反報告)
夢鸞 - 号泣です。素晴らしいお話、ありがとうございました。 (2020年11月29日 12時) (レス) id: 640116ca2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナ | 作成日時:2019年9月30日 13時