最後の花を、あなたに。【鬼滅の刃】

あと4日 ページ13

次の日、不死川さんのお屋敷へ来た。








不死川さんは怒りっぽいからな、念の為おはぎを持ってきた。









会うのはこれがきっと最後になる、怒った顔を見て終わりたくはない。









ああでも、やっぱり突然訪ねたらあの人のことだ、すごい怒りそうだ。









いやだからといって帰るわけには。しかし…









｢そこで何してやがる｣









後ろから声をかけられて、肩が跳ねる。









恐る恐る振り返れば、このお屋敷の当主、不死川実弥がそこに立っていた。









心の準備まだしてないよ！！









｢いや！あのー、えと、…お久しぶりです｣









｢…あァ｣









意外と、怒ってない？良かった！！！！！









｢ちょうど近くを通りかかったので、久しぶりに不死川さんに会いに行こうとですね｣









｢暇なら鍛錬しなァ、テメェも柱だろうがァ。
後輩に背中が見せられなくてどうするんだァ？｣









｢あ、確かにそうなんですけど｣









不死川さんは私に目もくれず、屋敷の中に入っていく。









怖いけど、でも、今日だけは駄目だ。









もう『また今度』は私にはやってこないのだから。









｢あの！！！！｣








私の大きな声に不死川さんは驚いたようで、目を少し見開いて振り向いた。









｢お、お願い、です。今日だけ、本当に今日だけなので。お話したいんです、今度じゃ、駄目なんです！｣






不死川さんは考え込んで、しばらく悩んだ顔をしていた。




｢今日は、伊黒もいるぞォ…それでもいいのかァ？｣








｢はいもちろん！！全然全く問題ないです！｣









不死川さんは1つため息をつくと、｢入りなァ｣と言って中に招き入れてくれた。

･→←･

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す