最後の花を、あなたに。【鬼滅の刃】

遺書 ページ41

拝啓 みなさんへ







手紙を書くのは、これが最初で最後です。









こういったことには慣れておらず、要所要所文のおかしなところがあるかもしれないですが、御容赦ください。









私は、ある事情により今日をもってこの世を去ります。









一足先に戦線離脱するこの愚か者を、どうかお許しください。









その上、2つばかり皆さんにお願いがあるのです。









これだけは、どうしても守っていただきたい。









まず、この手紙を読み終わり次第、この手紙諸共、私に関わりのある物は全て燃やして頂きたいのです。









着物も、






屋敷も、







皆様に送った物も、








写真も、









何もかも全て、燃やして捨てて欲しいのです。









お館様からの許可も得ております。









それと、もし仮に私の亡骸をどこかで見つけても、よっぽど人様の邪魔にならない限りはそのままそこに放っておいてください。









お墓も立てないで。









私の生きていた証を全て、なくしてください。









そうして、全部全部終わったら。









私のことを、どうか忘れてください。









私を忘れ、幸せに生きて欲しい。









私は元々存在しなかった人間として欲しいのです。









それから、私が死んだことをどうか気に病まないでください。









私が死ぬのは誰のせいでもない。









強いて言うならば、そんな事情に巻き込まれた私のせいなのです。









優しいみんなのことだから、気づいてやれなかったって落ち込むかもしれないけど、言わなかった私が悪いのです。









だから、絶対に傷つかないでください。









最後に。









私は、この短い余生を皆さんと出会えて、一緒の時を過ごすことが出来て、本当に良かった。








嬉しかった。









しあわせ、でした。








この限りなく広い世界から、







私を、見つけてくれてありがとう。









みんなのことが、大好き。









また、いつか。









敬具









時柱 水瀬 A

最後の花を、あなたに→←･

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す