Immature love 22 ページ22
カジノを楽しんだあと夕食を食べ、各自部屋に戻っていった
周りには誰もいないデッキの青峰は一人、
夜空を眺めていた
「あーんちゃん」
「A……」
「何似合わないことしてるの?」
「うっせ、オレだってこういう気分があるんだよ」
ハハハと笑いながら青峰に近づいた
「綺麗だね…」
そうだな、とは言わずに頷いた
「さっきまでテツ先輩といたよね。
何話してたの?」
「何って………」
(言えるわけねーだろ……)
なぁ、テツ。前に兄の座を譲った方がいいって言ったよな?
考えたけどよ、やっぱ意味が分かんねーよ
…自分の事には鈍いんですね…
僕からは何も言いませんよ
特に言えるような内容でもないのだ
(兄の座譲るってなんだよ…Aはオレの……)
「私もそろそろ戻るね、さつき先輩に黙って出てきちゃったから」
「あ、あぁ」
戻ろうとするAを見送る……つもりだった
名前を呼んで引き止めてしまった
Aは青峰にどうしたの?ときく
だが答えはせず、Aの肩に頭を預けた
その行動にますます混乱する
「なぁ、A」
「何、兄ちゃん…」
「オレの事、名前で呼んでみてくれないか…」
目を見開き驚くが、すぐに柔らかく微笑む
「大輝」
「……」
「大輝」
目を瞑って声をきく
「大輝…!」
青峰は目を見開き、Aは青峰の背に手をまわした
「大輝…大輝…大輝…大輝…!」
自身の名を呼ぶ声が次第に優しく、愛しく感じるようになってきた
青峰もAの小さな背中に手をまわし、抱きしめた
「A、ありがとな」
顔をあげ笑った
Aは首をかしげながら、どういたしまして!とこで返した
「遅かったですね」
「Aとちょっと話し込んでな。
なぁテツ」
何ですか、とききかえす黒子
「オレ、Aが好きだ。
妹としてじゃなく、一人の女として、
Aが好きだ」
真面目に話す青峰に微笑む黒子
「やっと、気づいたんですね………青峰君」
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作者名:ふたば | 作成日時:2016年4月3日 13時