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平日、午前11時
喫茶ポアロには安室透しかいなかった
店の雰囲気に合った音楽が静かに流れる中、店のベルが鳴った
安「いらっしゃいませ!あ、あなたは…」
『こんにちは』
動揺の色が見えた彼の瞳に、にこりと微笑んだ私が映っていた
***
安「お待たせしました。珈琲とハムサンドでございます」
『ありがとうございます』
うん、安定に美味しいな
今度他のメニューも試してみようかな
私は珈琲を啜りながら横目で安室さんを見た
安「……」
前と違って動揺してるのが目に見えて分かるな……まあ、それもそうか
警戒心も強く、少なくとも自分が居る時はポアロに来ないだろうと思っていた相手が自分から無防備に現れたのだから
でもそこまで警戒はされてないな…コナン君からは特に何もいわれなかったのかな
まあ、あそこまであからさまに怪しんでたら気になるのも当然だけど
『…私の顔になにかついてます?』
安「あ…いえ。まさか本当にまた来てくれるとは思わず…」
『ここのハムサンド、美味しかったので』
微笑みながらそう返すと安室さんは少し眉を潜めてから元の笑顔に戻った
安「それは嬉しいですね」
さて、無計画で来たからな……どうしようかな
安室さんは一息つくと、調子を戻すかのようにいつもの調子で話しかけてきた
安「……お喋りは嫌いですか?」
『え?』
安「今日はお客様があまり来なくて…暇をしていたんです」
あぁ、成程
私は頬杖をついて怪しく笑った
『私でよければ、お相手しますよ』
警視庁公安部の降谷零さん?
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作者名:姫苺 | 作成日時:2021年3月28日 3時