1-12.ぶりっ子ちゃんの水槽 ページ13
「今日もワタシは〜とぉっても元気！ ね、ジンベーくんはどう思う？」
ジンベエザメのぬいぐるみを撫でながら、後ろを向いて「リウムチャンカワイイ！」と裏声を出した。
「も〜ジンベーくんったら褒め上手♡ お魚さんは、元気にしてるかな〜？」
りうむちゃんの上目遣いがアップに映る。しばらくわたしと見つめ合うと、りうむちゃんは気遣わしげに眉をひそめた。
「んー……。そこのアナタ。そう、アナタ！ 最近ちょっぴり疲れてない？ お顔がしょんぼりしているぞ〜？」
思わずぎくっとすると、画面の向こうのりうむちゃんは「やっぱりぃ？」と笑った。
「じゃーあ、そんな頑張りすぎなお魚さんを、ワタシが元気づけてあげる！ ジンベーくんも見てて〜♪」
ジンベーくんを自分の方に顔を向けさせて、立ち上がった。
「くねくね〜くねくね〜♪ うねうね〜うねうね〜♪ わかめが踊るぞ♪ くねくねうねうね〜♪ 辛い気持ちは♪ わかめと一緒に♪ 味噌汁の具だ♪ 飲み干せ飲み干せ♪ さあスッキリだよ♪ ごちそうさま♪」
海底に揺蕩うわかめのように、全身をくねらせうねらせ、少し調子外れに歌い上げた。その可愛い見た目に反してキレのある動きに、我知らず口角が上がっていた。
「永久保存版、亜久亜りうむの海藻ダンススペシャルバージョンだよっ！ ジンベーくん、ワタシのダンス、どうだったぁ？」
「カワイカッタヨ！」と一瞬だけ顔を隠して裏声を出すりうむちゃん。「でしょ〜♡」と満足そうにジンベーくんを抱き締めた。
「もし元気になったらぁ、またワタシのこと可愛いって言っていっぱいちやほやしてね♡ じゃあみんな、まったね〜♪」
エンディングが流れ、動画が終わった。高評価ボタンを押そうとした。けれどもすでに押してあった。そうだ。初めて見たときも、こんな気持ちだった。
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酔風 - 面白かったです…夏目先輩かっけぇ！萌ちゃん許せるどころかファンになりそう…。続編読んできます(｀･ω･´)ゞ (2021年7月25日 10時) (
レス) id: d8696aafac (このIDを非表示/違反報告)
夜瑠 - 夏目せんぱぁああい！！いつか、いつか言紡高校に入学してもいいですかっ！？！？ (2021年7月19日 17時) (レス) id: ef33b3228d (このIDを非表示/違反報告)
彩華 - 初めまして！こんな小説を求めていました！この小説を読んだ方が、ぶりっ子＝悪女とかでは無くて、ぶりっ子は一つの個性なんだなって思ってもらえると良いですね！ももたんめっちゃ好きです！頑張ってください〜！ (2021年7月17日 15時) (レス) id: da4daeacca (このIDを非表示/違反報告)
桜夜桜もち - 「ふんぬぁぁああ゛ぁあ゛ァあッ！゛！」 握力計ったときのこれ好きですwwwwwww (2021年7月17日 14時) (レス) id: 54667db88c (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - 真白さん» ありがとうございます！！確かにぶりっ子の言動を見ていると、自分にも思い当たる節があったり……なんてことが自分にもあったりしました（笑）「ぶりっ子のふり見て我が振り直せ」ですね（汗）夏目先輩を好きになってもらえてすごく嬉しいです！ (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆の字 | 作成日時：2019年9月9日 17時
