―抜毛症― ―N×S―part２ (ページ9)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:121,436 hit

■―３９―　ページ9

.

.

.

家に帰って

リビングに行くと、テーブルの上には

１万円札が

今日も仕事って事か………

.

その１万円札をポケットにしまって

リビングを出て、自分の部屋へ

.

.

翔「あ…もう！マジムカつく………」

カバンを放り投げて

ベットに大の字になって寝転がった

.

.

和『もしかして、自信ないの？

これから先も芸能界で生き残っていく』

.

二宮くんの言葉が、ふいに頭の中を過った

何でだ？

あいつに言われたこの言葉が

いつまでも頭の中に残ってて、消えない

ずっと頭の中でグルグル回ってる気がする

.

.

だって、悔しいけど

二宮くんの言ってる事は

あながち間違い、では………ない

.

これから先も芸能界でやっていける自信があるかって

聞かれると

どうも…「ある」ってハッキリ答えられる自信がない

.

いつ、何が起こるかわからない

それが芸能界

一見華やかに見えて

誰もが１ド度は憧れる世界かもしれないけど

本当はドス黒い、いろんな感情が入り混じった

ドロドロとした怖い世界

.

どんなに人気があっても

いつ転落するか、わからない――――…

.

.

翔「…あぁもうっ！マジで…嫌になる…」

.

何で俺は、ビクビクしてるんだ？

高い地位を持ってるはずなのに

なのにどこか虚しくて

いつもいつも恐怖心を感じてる

.

きっと俺は

転落してしまう事を１番恐れてるんだ

.

.

翔「もうっ………イラつく………！」

.

いつか転落するかもしれない

常にトップをキープしないといけない

その不安と重圧のせいで

イライラする………。潰されてしまいそう

.

.

俺はまた

無意識のうちに、右手で髪の毛をかきむしっていた

髪の毛を何度も何度も何度も何度も………何度も

かきむしった

.

ハッと我に返った時には

.

.

翔「っ…嘘………俺、こんなに………」

.

ベットの上には、たくさんの抜けた髪の毛が

それは

明らかに俺が自分自身で、ついさっき抜いてしまったものだった

.

.

.