―抜毛症― ―N×S―part２ (ページ7)

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■―３７―　ページ7

雅紀side

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雅(…翔ちゃん、戻ってこないな)

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やっぱり、思った通りだ

翔ちゃんはやっぱり無理してた

いつもいつもがんばり過ぎなんだよ

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なのにいつも俺を頼ってくれないのは

俺が頼りないから？

俺の事を見下してるから？

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雅「あっ…翔ちゃん………！」

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教科書と睨めっこしてると

ようやく翔ちゃんが戻ってきた

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雅「お帰り。翔ちゃん」

翔「…ただいま………」

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あれ？なんか機嫌悪い？

明らかに怒ってるように見えるけど、気のせいかな

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雅「あ、翔ちゃん

さっきの授業のノート…俺の写していいよ？」

そう言いながら机の中からノートを取り出した

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翔「…別に、いいよ………」

雅「え…でも…さっきの授業、数学だし

わからなくなっちゃうかもだから………」

翔「…平気だよ。１回くらい受けなくても

わからなくなったりしないよ。数学なんて余裕だし」

雅「………」

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…何で？

どうして、そうやって平然としていられるの？

いつもいつも平然として、なんで余裕なの？

焦ったりしないの？

遅れたらどうしよう、とか考えないの？

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雅(…何でっ………)

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ねぇ、何で翔ちゃんはいつも余裕なの？

何で弱音を吐かないの？

きっと俺だったらすぐに弱音を吐くのに

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………ねぇ

何で翔ちゃんはそんなに完璧なの？

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雅「翔ちゃん…もう、大丈夫なの？」

翔「あぁ…大丈夫だよ」

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翔ちゃん、知ってる？

俺は時折、翔ちゃんと一緒にいる事に

嫌悪感を感じる時があるの

強いコンプレックスを感じる時があるの

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翔ちゃんといると、自分がどうしようもなく

馬鹿に感じる

自分は劣化した人間だって、思ってしまう

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翔「てゆーか雅紀は

さっきの授業の内容、ちゃんと頭に入ってきたの？」

雅「んー…どうだろう」

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俺は

高校を卒業するまでずっと

翔ちゃんの引き立て役でいなくちゃいけないの？

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辛い

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ずっと引き立て役なんて辛い

辛いけど

それでも俺は………やっぱり、どうしても

翔ちゃんから離れる事ができないんだ

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