―抜毛症― ―N×S―part２ (ページ27)

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■―５７―　ページ27

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「はい、今日の撮影はここまで！

２人とも、お疲れ様」

潤「お疲れ様です！」

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やっと………やっと、撮影が終わった

撮影時間はいつもと変わらないはずなのに

疲れた

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すっごい疲れた気がする

肉体的にじゃない。精神的に

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潤「翔さん！お疲れ様です！」

翔「え…あぁ、お疲れ」

潤「一緒にお仕事できて、本当に嬉しかったです」

翔「お、俺もだよ………」

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何が、“俺も”だよ。本当はちっとも嬉しくないくせに

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潤「翔さん、これからもお互い

がんばりましょうね

…一応この世界では俺らって、ライバルなんですよね？」

翔「………」

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…こいつ、一応わかってんのか

もしかして俺を蹴落とそうとか、してないよな？

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「潤くん！すっごい良い顔してたよ

モデルの仕事、本当に初めて？」

潤「はい。初めてです…」

「初めてとは思えないくらい、よかったよ！

潤くん、絶対売れるよ」

潤「えっ…そ、そんな事は」

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いつの間にか、潤の周りには人だかりができてた

みんな潤の周りに集まってる

…俺の事なんて見向きもしてない

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みんな俺の方なんて、見ようとしない

…まるで俺なんて、空気扱いみたいな

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翔(何でっ………)

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今日は学校でも、屈辱感を味わったのに

なのに何で仕事でも、こんな思いしないといけないわけ？

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智「翔くん…」

翔「あ…智くん」

智「撮影終わったなら、早く戻ろう？」

翔「…そうだな。ってか、手…馴れ馴れしく繋ぐなよ」

智「いいじゃーん。少しくらい」

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智くんは俺の手を握って、控え室へと足を進めた

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智くんがいてくれて、よかったかも

ただの役立たずだと思ってたけど

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智「潤くん、すっごい綺麗な子だね」

翔「…あぁ」

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チッ。何だよ…。あんたまで、あいつを褒めるわけ？

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智「だけど…僕は翔くんの方が

イケメンだと思う。ってか翔くんの方が好み」

翔「………」

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フォローのつもりなのか？

素直に喜んでいいもんなのか…よくわからねーな

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智「でもま、なんか…強力なライバル参上、だね」

翔「わかってるよ」

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