―抜毛症― ―N×S―part２ (ページ19)

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■―４９―　ページ19

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和「…キザじゃ、ないよ

ただ単に…そう見えただけだし…」

翔「…何で………」

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何で、あんたが………

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翔「何で…あんたが、そうやって

…泣くんだよ」

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いつの間にか

二宮くんは静かに涙を流して、泣いてた

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和「…さぁ。どうしてだろうね」

と、言って、涙ながらに小さく微笑む二宮くんは

正直“綺麗”って…思った

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俺は、こいつの事が…苦手

何考えてるかわからないし

何もかも見透かされてるみたいで、怖い

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なのに

こんな風に抱きしめられてても

全然、嫌とか思わなかった

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むしろ、こうしてるのが………心地いい、なんて

思ってしまった

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そういえば

今までこうやって、人に頼ったことってあったっけ？

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和「翔さん…我慢のし過ぎは良くないよ？

このままじゃ…きっと翔さん、壊れちゃうよ」

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ギュッと…抱きしめる力が強くなった

俺はゆっくりと、自分の腕を

二宮くんの背中に回そうとした

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智「２人ともー！遅くなってごめーん！」

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急にドアが開いて

智くんが戻ってきたもんだから

俺は慌てて二宮くんから離れた

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智「あ…あらら。もしかして…お邪魔だった？」

翔「もうっ…智くんの馬鹿！

入ってくる時はノックくらいしろよ！」

智「…翔くんって実は、そっちの気があったの？

でも大丈夫だよ！例え翔くんが…そっち系でも

僕は…ちゃんと、応援するから」

翔「違うっ！断じて違うっ！！

絶対に違うから…。ったく、変な誤解してんじゃねーよ」

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全く…この人は本当に意味不明な人だ

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翔(…だけど)

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チラッと、二宮くんの方を見た

何事もなかったかのように

智くんと話をしてる

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翔(…俺とした事が………)

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二宮くんに、一瞬。本当の本当に一瞬だけど

気を許そうとした

いや、正確には“気を許した”と言う方が正しいと思う

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俺って二宮くんの事、苦手なんだよな？

なのに………何で………

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「翔くん。そろそろ、スタジオの方に…」

翔「あ、はい！

すぐに行きます！」

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スタッフが呼びに来て、２人に見送られて

スタジオに戻った

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