[神田ユウ] 緋と蒼 [D.Gray-Man]

第32夜　mysterious nightmare　神田side ページ34

気が付くと、神田は見晴らしの良い、丘の上に１人、寝転がっていた。

神田 「………どこだ、此処？」

　周りを見るが、ラビも、クロスも、Aの姿も見えない。
どうやら、自分だけ此処にいるらしい。
所持品を確認すると、六幻とずっと着ている団服ぐらいだった。
何故、こんな所に一人で居るのか。
それは神田には全く分からなかった。
しかし、何時まで此処に居ても何も始まらないので、神田は人が居ないかと探す。
ふと、町のようなものが目に止まったので、その方向へと取りあえず歩いて行く。

　そこは、神田が予想していた通り町だった。
しかし、おかしなことがあった。
町の人々は、神田を見ても何もないのだ。
普通だったら、容姿の違いや服装の違いで避けられるなり、声を掛けられるなり、何らかの反応がある。
しかし、まるで自分だけ存在している筈なのに、其処に居ないかのように、全く反応が無いのだ。
その上、いくら声を掛けても、叫んでも、誰も反応しない。
おかしい。
一時、神田が歩いて居ると、男の子が走っていった。
その男の子は、何かに怯え、逃げるかのように走っていく。
男の子が走っていった方角を見ると、其処には青年が居た。
彼も、すぐに其処から走って、消え去って行った。

神田 「………?」
町の中心部へ行くと、先程まで賑わっていたはずの町には、死体の山がいつしか出来上がっていた。
そして、死体全てに星型の痣が広がっていた。
これは。

神田 「アクマか…。」

死体の山はどんどん小さくなり、やがて全て消えた。
しかし、神田は死体の山があった中央辺りに人が居ることに気が付き、驚いた。

神田 「!?」

　其処には美しい顔立ちの少女が居た。
目は赤く輝き、手には剣を持っている。
そして、少女の目は段々と黒くなり、やがてその場に倒れた。

神田 「おい、大丈……」

　神田が触れようとすると、少女の体はすり抜けてしまう。
これは、一体……
途端に辺りが白く輝き出して、神田は眩しくて目を閉じた。

　再び目を開くと、神田は城のベッドの上に寝ていた。
何だったのかと思いながら、体を起こす。
水を飲み、色々と思考を巡らせていると、神田は自分の部屋の扉が開く音を聞いた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
A 出番がぁぁ……
アレン そのくらいで泣かないで下さいよ。
ロード そうだよ、私なんか、まだ本編で一度も出てないのに!
璃羅 ……………ごめん。

次回更新予定日:6月20日

第33夜　gloss 1　神田side→←第31夜　doubt 2　ラビside

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