第13夜 first mission 3 神田side ページ15
……チッ！
なんで俺はこの少女の初任務にまで同行しないといけないのか。
あのクソモヤシだったら、進んで受けただろうに。
そう考えていると、気を失って寝ている少女のほうから声がした。
A 「一人ぼっちは嫌だよ……」
少女のほうへと目をやると、なんと少女は泣いていた。
泣いている少女はとても哀れで、艶やかで、弱弱しかった。
神田 「A？」
A 「ずっと、そばに……」
その一言に神田は動揺した。
明らかに己では無いと分かっていても、どうしてもその言葉の真意が知りたくて、その少女から目を逸らすことができなかった。
そして同時に、何故か知りたくない、という気持ちもあった。
考えているうちに、自分が少女に振り回されてばかりだと思った神田は、自分に対して、また、少女に対して、怒りの感情がこみあげてきた。
今は任務に集中するべきなのに、何故、少女のことばかり考える？
どうして俺はこの少女のことばかり考える？
この少女が俺にとって何だというのか。
そして、考え着いた先には、何もなかった。
いや、何も無かったわけでは無い。
神田自身がその先を知るのを恐れた。
たった一日、彼女に教団の内部を案内しただけではないか。
だけど、その一日の間に、確実に、己の心に根付いてしまった「感情」。
それを知ってしまったら、もう、少女しか目に映らなくなるような気がして。
だから、考えることを、途中でやめた。
こうしてまた、彼女のことばかり考えている自分にいら立った。
やり場のない怒りを抑えるため、窓の方へと視線をやったその時。
A 「ん……」
Aが目を開けた。
そして少女はきょろきょろとあたりを見回していた。
A 「クロスとラビは？」
開口一番、その二人の名前が出されたことに、神田はさらに気を悪くした。
神田「チッ……テメェ、何頭ぶつけて気を失ってやがる！」
A 「なっ、私だって好きで気を失ってたわけじゃ……て、私の質問にちゃんと答えて！」
神田 「……チッ、もういい！」
沈黙が続き、気まずい空気がながれたまま、汽車は目的地へとついた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
アレン えっと、ラビとクロスについては、隣の車両に乗ってたそうですよ。
パッツンは冷たいから、僕と一緒に初任務にいけたらよかったのに。
璃羅 アレン、なんか、黒い……
次回更新予定日：２月７日
第14夜 first mission 4 神田side→←第12夜 first mission 2
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魅録 - 璃羅さんの神田ヤバイッ!サイコーです!更新がんばってください(*^^*) (2014年6月26日 23時) (
レス) id: 4eaacd5b0d (このIDを非表示/違反報告)
璃羅 - 本当ですか！？とても嬉しいです♪すみません、中々更新できなくって、どうしても一週間に一度、みたいになってしまって…… (2013年8月28日 17時) (レス) id: ebc64a422c (このIDを非表示/違反報告)
如月蘭 - 今回もとてもおもしろかったです！次の更新が待ちきれませんｗｗ (2013年8月26日 12時) (レス) id: 4af29fb737 (このIDを非表示/違反報告)
璃羅 - ありがとうございます！嬉しいです。これからも、頑張って書きますね♪ (2013年8月21日 17時) (レス) id: ebc64a422c (このIDを非表示/違反報告)
如月氷菓 - 初めまして！小説読まさせていただきました！とても面白かったです(`・∀・´)続きを楽しみにしています♪ (2013年8月21日 15時) (レス) id: 51e90738dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃羅 | 作者ホームページ：http://saphir221.blog.fc2.com/
作成日時：2012年11月1日 21時
