検索窓
今日:12 hit、昨日:32 hit、合計:97,393 hit

ページ ページ29

.

「コイツは!わたしの教師人生で一番の問題児だった!彼の将来を特に心配していたものだが、まさか、一番まともな職につくとはなあ」

「この子の名前は?」

「ハンゾー・オカダという。聞きなれんだろう。日本人でね。今は日本の魔法省で魔法法執行部の部長をしている」


ユリはその名を知っていた。

去年、ユリの曾祖父の命をこの世に留めてくれた人の名前だ。

あの判決には疑問が残っていたが、たぶん彼と祖父は友人で、ハンゾーは友人の秘密を知っていたのかもしれない。

もしかすると、ユリのことも。


今いろいろなことが繋がり始めているユリは、そんなことはおくびにも出さずに、「いろいろ教えてくれてありがとうございます」と礼を言った。

スラグホーンは「なんの!」と笑って、ゆったり歩いて去っていった。


少しいつもと様子の違ったユリに、ハーマイオニーが口を開きかけたが、パーティーの異変に気づいてすぐに噤んだ。

ドラコ・マルフォイが、アーガス・フィルチに耳をつかまれ、パーティーの中心に引っ張ってこられたのだ。

ユリとハーマイオニーは唖然とした。


ドラコは、少し見ないうちに、本当に病気ではないかと思えるほどになっていた。

ユリがおせっかいでサンドイッチを押しつけてから、一カ月しか経っていないのに。


さらにユリはそのときはじめて、スネイプがパーティー会場にいたことに気づいた。

たしかに、考えてみれば、スネイプとスラグホーンは教師と生徒の関係だったのかもしれない。


スネイプとドラコが連れ立って会場を出ていくのを見ながら、そしてハリーがそれを追って出ていくのに気づきながら。

ユリは、ドラコについて、そして祖父母について、渦巻く思考を振り払えないでいた。





.

次ページ→←前ページ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (205 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1272人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

岡P(プロフ) - お話とても面白かったです。この先どうなるのか更新楽しみにしています。 (10月31日 22時) (レス) @page44 id: e3d27a2b53 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - すごく面白くて最高です!応援しています! (9月28日 1時) (レス) @page43 id: cb75ec721c (このIDを非表示/違反報告)
アミ - この小説を1話読む度に、主人公が感じるドキドキ、喜び、切なさ、愛おしさ、全てが臨場感をもって伝わってきて、満ち足りた気持ちになります。あなたの小説に出会えてよかった、そう思える作品でした。続きを読むのをとてもとても楽しみにしています。ご自愛ください。 (8月30日 19時) (レス) id: 2340b31398 (このIDを非表示/違反報告)
エヌエヌ - 最高です!!!!とても面白く、素晴らしい作品だと思いました。ダンブルドアが亡くなったのは6月で、夢主ちゃんのお父さんとの別れは8月前ということはもうそろそろ……??と思いどうなるのか気になってます。続き楽しみに待ってます〜!!! (7月26日 16時) (レス) id: cc01457125 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(プロフ) - 今まで読んだ作品の中で1番好きです。更新楽しみにしてます。素敵な出会いをありがとう。 (7月25日 2時) (レス) @page43 id: c7131ab9ec (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みや。 | 作成日時:2023年4月5日 4時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。