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「コイツは!わたしの教師人生で一番の問題児だった!彼の将来を特に心配していたものだが、まさか、一番まともな職につくとはなあ」
「この子の名前は?」
「ハンゾー・オカダという。聞きなれんだろう。日本人でね。今は日本の魔法省で魔法法執行部の部長をしている」
ユリはその名を知っていた。
去年、ユリの曾祖父の命をこの世に留めてくれた人の名前だ。
あの判決には疑問が残っていたが、たぶん彼と祖父は友人で、ハンゾーは友人の秘密を知っていたのかもしれない。
もしかすると、ユリのことも。
今いろいろなことが繋がり始めているユリは、そんなことはおくびにも出さずに、「いろいろ教えてくれてありがとうございます」と礼を言った。
スラグホーンは「なんの!」と笑って、ゆったり歩いて去っていった。
少しいつもと様子の違ったユリに、ハーマイオニーが口を開きかけたが、パーティーの異変に気づいてすぐに噤んだ。
ドラコ・マルフォイが、アーガス・フィルチに耳をつかまれ、パーティーの中心に引っ張ってこられたのだ。
ユリとハーマイオニーは唖然とした。
ドラコは、少し見ないうちに、本当に病気ではないかと思えるほどになっていた。
ユリがおせっかいでサンドイッチを押しつけてから、一カ月しか経っていないのに。
さらにユリはそのときはじめて、スネイプがパーティー会場にいたことに気づいた。
たしかに、考えてみれば、スネイプとスラグホーンは教師と生徒の関係だったのかもしれない。
スネイプとドラコが連れ立って会場を出ていくのを見ながら、そしてハリーがそれを追って出ていくのに気づきながら。
ユリは、ドラコについて、そして祖父母について、渦巻く思考を振り払えないでいた。
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岡P(プロフ) - お話とても面白かったです。この先どうなるのか更新楽しみにしています。 (10月31日 22時) (レス) @page44 id: e3d27a2b53 (このIDを非表示/違反報告)
つき(プロフ) - すごく面白くて最高です!応援しています! (9月28日 1時) (レス) @page43 id: cb75ec721c (このIDを非表示/違反報告)
アミ - この小説を1話読む度に、主人公が感じるドキドキ、喜び、切なさ、愛おしさ、全てが臨場感をもって伝わってきて、満ち足りた気持ちになります。あなたの小説に出会えてよかった、そう思える作品でした。続きを読むのをとてもとても楽しみにしています。ご自愛ください。 (8月30日 19時) (レス) id: 2340b31398 (このIDを非表示/違反報告)
エヌエヌ - 最高です!!!!とても面白く、素晴らしい作品だと思いました。ダンブルドアが亡くなったのは6月で、夢主ちゃんのお父さんとの別れは8月前ということはもうそろそろ……??と思いどうなるのか気になってます。続き楽しみに待ってます〜!!! (7月26日 16時) (レス) id: cc01457125 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(プロフ) - 今まで読んだ作品の中で1番好きです。更新楽しみにしてます。素敵な出会いをありがとう。 (7月25日 2時) (レス) @page43 id: c7131ab9ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みや。 | 作成日時:2023年4月5日 4時