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ころん、と床に落ちた虫を見ながら、「そんなつもりじゃなかった……」と少し落ち込む。
今研究室に向かっているのは、スネイプが先週の月曜日に空いていなかったので、その振替だ。
「閉心術」の訓練が始まってから、あとひと月で半年が過ぎようとしている。
これは、ユリを苦戦させていた。
と言っても、守護霊の呪文に比べればの話だ。
どうにもやはり、ユリ・グリンデルバルドには魔法の才能が溢れているようだった。
「閉心術」も、驚異的な速さで完成しようとしている。
その日6度目の挑戦でのことだった。
「レジリメンス」
「……」
「……」
「……？」
いつもの、壊れかけの電灯のような明滅がない。
内側から擽られているような、微妙な不快感もない。
何より、目の前のスネイプがはっきり見える。
今、自分はちゃんと現実に立っている。
「あっ」
数秒経ってやっと、ユリは間抜けな声をあげた。
「お、おわった？」
スネイプが杖を下げたのが答えだった。
ユリは椅子にもたれて長い息を吐く。
安堵の息だ。
ついぞスネイプにこの後ろめたい気持ちがバレることは無かった。
たぶん。
これが彼に知れたら死んでしまう。
歓声も上げずに顔を手で覆ったユリの耳に、微かな空気の震えが伝わってきた。
「よくやった」
その深いベルベットで紡がれるはずのない言葉が聞こえてきた。
あんまりびっくりして顔をあげると。
「……ッ」
スネイプが笑んでいる。
微かに。
ほんのわずか、いつもは引き結ばれるかへの字の口元が、緩んでいた。
カッと身体が熱くなって、ユリは叫びだしたくなった。
そうできなかったのは、視界が白くパチン、と弾けたからだ。
それは一瞬で、思考が原因を突き止めた時、ユリはガタ、と立ち上がった。
今、不意打ちで、悪戯で、「開心術」をかけられたのだ。
「ひ、卑怯だと思いますッ」
「ッハ」
スネイプがバカにしたように笑うのが、それでいて心からおかしそうなのが悔しくて、恥ずかしくて、嬉しくて。
もうなんだかわからない感情でユリは顔を真っ赤にした。
ボロが出る前に机の上から荷物をひったくり、「ありがとうございました！」と言い捨ててスネイプのそばを通り過ぎる。
しかし、そう離れていない場所でユリの動きが止まった。
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あまね(プロフ) - いっぱいちゅき！ (2023年2月12日 23時) (
レス) @page46 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ダイアナ(プロフ) - 不死鳥の騎士団編がみたいだけなのにTwitter運営さんはそれを許してくれないようですかなし (2023年2月12日 14時) (レス) id: 29bd455e8b (このIDを非表示/違反報告)
ダイアナ(プロフ) - みや。さん» ま、また凍結されてますね、、、ついてないですね、、、🥺 (2023年2月12日 14時) (レス) @page46 id: 29bd455e8b (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - みやさんの不死鳥の騎士団見たいですね(๑•̀ㅁ•́ฅ✨ (2023年2月11日 19時) (レス) @page46 id: b396ddc2bf (このIDを非表示/違反報告)
みや。(プロフ) - ダイアナさん» 一週間が経ってしまったので、移行しました。よろしくお願いします🙌 (2023年2月10日 13時) (レス) @page46 id: f8ad011ce4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや。 | 作成日時：2022年9月21日 19時
