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もうユリは声も出なかった。
もし出せていたなら、「あわわわ……」だとか言っていたことだろう。
スネイプの節くれだった手が、ユリの細い手首をつかんでいる。
何を起こそうというのだ。
すっかり固まってしまったユリを置いて、彼は無言で杖を彼の胸元に向けた。
手首から手を離し、胸元のボタンをつまむ。
パチ、と音がして、ボタンの糸が切れた。
と同時に、何かが光に反射してはらりと胸元から離れる。
それは、ユリと繋がっていた。
流石にもうわかる。
彼は、ボタンに絡まったユリの髪の毛を守ってくれたのだ。
ただの一本、髪の毛を切った方が楽だろうに。
「え、と。……ありがとう、ございます」
「構わん」
指先で器用にボタンと髪を解いていくスネイプに、気まずげに笑って言う。
「髪の毛、切ってくれてよかったのに」
「……髪とは魂の一部だ」
はて、とユリは首を傾げる。
そんなつもりではなかったのに、急に難しい話が始まった。
「ポリジュース薬。原液に人間の体の一部を入れて飲むことでその者に変身することができる。では、最もよく用いられるものは何か？」
スネイプは早くも最後のダマと格闘しながら、ユリを見もせずに問う。
「え。ええっと……髪の毛？」
「さよう。ではなぜか。それは髪をいれたポリジュース薬の変身が最も精度が高いからだ」
やっと取れた黒いボタンを机の上において、スネイプはユリに向き直った。
指先につまんだユリのブロンドを数瞬見つめてから、はらりと離す。
「古来頭髪は魂の集まる場所とされる。極東には遺髪の文化があり、士師サムソンは頭をそられたことで力を失った。魔術的、魔法薬学的にも大きな意味を持つ」
スネイプは視線で後ろの棚を示したが、ユリはあまり見たくは無かった。
そこに正体の分からない茶や緑や金の毛が入った瓶が大量にあるのを知っているからだ。
今まで聞かない方が身のためと思って聞かなかったのに。
「これは古代魔法での話ではあるが。魔法薬学は純粋な古代魔法を受け継いでいるものもあるから、気安く魂の一部を置いていくなと言っているのだ」
ユリは唇をしまいこんで、小さく頷いた。
そうして、今ならイケるかなと思って……。
「天文学、教えてくれませんか？」
「出ていけ」
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あまね(プロフ) - いっぱいちゅき！ (2023年2月12日 23時) (
レス) @page46 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ダイアナ(プロフ) - 不死鳥の騎士団編がみたいだけなのにTwitter運営さんはそれを許してくれないようですかなし (2023年2月12日 14時) (レス) id: 29bd455e8b (このIDを非表示/違反報告)
ダイアナ(プロフ) - みや。さん» ま、また凍結されてますね、、、ついてないですね、、、🥺 (2023年2月12日 14時) (レス) @page46 id: 29bd455e8b (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - みやさんの不死鳥の騎士団見たいですね(๑•̀ㅁ•́ฅ✨ (2023年2月11日 19時) (レス) @page46 id: b396ddc2bf (このIDを非表示/違反報告)
みや。(プロフ) - ダイアナさん» 一週間が経ってしまったので、移行しました。よろしくお願いします🙌 (2023年2月10日 13時) (レス) @page46 id: f8ad011ce4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや。 | 作成日時：2022年9月21日 19時
