【HQ】ゴミ溜め四人衆、見参。【稲荷崎】

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そんな次の日の放課後。



「あのー、これ何時までやります？」

「みんな(訳：私)が納得するまで(訳：そんな時は来ないので最終下校時刻まで)です」



合唱コンクールの練習はとにかく長引いていた。

仕切っているのは合唱コン委員の地雷女さん(概念)。

そう、文化祭ぶりの彼女は合唱部である。


稲荷崎高校吹奏楽部は水・金(7限まである曜日)に部活が無い。

そして今日は水曜日。

私は寮生。


よって合唱コンのこのクソ長い練習を抜け出す口実が無く、ずっと電子ピアノの前に立っている。



現在時刻午後5時。

終業時間は午後3時40分。

最終下校時刻は午後6時……。



このクラスの合唱コン委員は3人いて、全員合唱部。

それに伴奏者の私をいれて4人で4パートの音取りをもう1時間以上やっていた。

私の担当はテノールで「男子パート最悪」と思ったが、三好くんがいるのでセーフ。


地雷女さん(概念)の軽い説教を聞き流していると目が合ったので、小さく手を振ったらにこ、と笑ってくれた。死ぬ。


「テノールどこまで取れた？」

「あ、はい。一応全部音だけ取って、狩をするところまでちょっと……」

「今日もひびくのとこ？」

「その手前……」

「お。割と進んだやん」

「はい……優秀でした……」



コミュ障ではないんだが、どうにも怖い人相手にはこうなってしまう。

委員さんたちだけで話し合っている間、少しの休憩。


女三人寄ってきて、クソデカため息をついた。



「疲れた……」

「エグかった」

「私はまだ昨日のが糸を引いとります……」

「それやめろ」

「弾けるん伴奏」

「いや弾けなかったら殺されるでしょ。もう完璧よ暗譜までしたもん」



休めたのはそこまでで、パン、と乾いた音と共に委員が戻ってきた。



「はい。戻って。続けます」





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