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消失 ページ9

「お前さんら!!無事だったのか!!」

『如水……じゃなかった、官兵衛殿!』


襖を開けたのは、黒田官兵衛だった。そう分かると、Aは心底驚いた、という顔をして駆け寄る。


『今まで何処へ……というか、又兵衛は一緒じゃないのか?』

「ということは、お前さんらも知らんのか…」

「てっきり亜噂達は、じょ……官兵衛殿と一緒だと思ってたし。」

「いや!途中まで一緒だったのだがなぁ……いつのまにか何処かへ消えてしまってな……」

『消えた……。これも、虫の仕業なのか……?』

「虫ぃ?何のことなんだ?」


何も知らない官兵衛は、訳がわからない、と小首を傾げ、説明するよう迫った。


『それも説明するが……官兵衛殿は何故、あそこから姿をくらましたんだ?』

「そうだし。戻ったらいなくなっているから驚いたし……」

「分かった。まずは小生のほうから説明しよう。」


官兵衛は重い鉄球をずしんと置き、自らもそこにあぐらをかいた。

--


あの騒動の後、いち早く危険を察知した官兵衛は、又兵衛を連れて逃げだした。


勿論、又兵衛は拒んだ。自らの憧れでもある半兵衛が死体と化しており、自らの閻魔帳にも刻んだその者が、狂っていたのだから。


だが官兵衛は、あの場の混沌さをはっきりと感じていた。だからこそ、又兵衛を連れて逃げるという選択をしたのだ。


又兵衛を引きずるようにして、真っすぐと逃げていた。少しでもあの場所から離れなければ。そんな本能が動いていた。


その間、又兵衛は何やら叫んだり怒鳴ったり罵声をあげたりしていたが、気にしないようにしてただただ走った。


大人しくついて来るようになった、と思うと、


振り返ったところに誰もいなかった。



『ふむ……だから、又兵衛の行方は分からない、と。』

「ああ。小生がついていたはずなんだがなぁ…面目ない。」

「気に病むことはないし。いずれ見つかるし。」


「ああ……。それで、あのあとはどうなったんだ?今度はそちらさんが説明する番だぞ」

『分かった。少し長くなるが………』



Aは、今までのことを淡々と語った。

あくまでも、淡々と。

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かえこ(プロフ) - らんさん» ありがとう御座います!! (2020年11月18日 20時) (レス) id: aec05404df (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - おもしろかったです! (2020年11月18日 6時) (レス) id: 632a5f4028 (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - かえこさん» ばっちりとしかいえねぇ (2020年11月3日 14時) (レス) id: 632a5f4028 (このIDを非表示/違反報告)
かえこ(プロフ) - らんさん» 口調とか大丈夫でしたか?もう、ほぼ勘で書いてます……( TДT)ゴメンヨー (2020年11月3日 12時) (レス) id: aec05404df (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - あれだげしかなかった情報で書けるってすごいですね! (2020年11月3日 8時) (レス) id: 632a5f4028 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かえこ | 作者ホームページ:ホームページ?ナニソレオイシイノ?  
作成日時:2020年8月16日 19時

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