熱血漢 ページ6
「ゆぅぅぅぅきぃぃぃむぅぅぅらぁぁぁぁ!」
その奥から、うなるような声を上げて堂々と登場したのは、まさにAの求めるその人。
「空から女子が降ってきただとぉぉぉ?!」
仁王立ちで叫ぶように話す姿は、Aには憧れのような存在だった。
「ならば何故儂のところへ真っ先に飛んできたのだぁぁぁぁ!!」
一方、壁に半分埋まった状態だった幸村は、身体を壁から離した。
くらっとする頭を上げ、自分よりも大きな、その師を見、自らも叫ぶ
「申し訳ございませぬお館様ぁぁぁぁ!!某が未熟でありもうしたぁぁぁぁ!!」
「精進せい幸村ぁぁぁぁ!!」ドォォォォンッ
「ぅお館さぶぁぁぁぁ!!」ガァァァァァンッ
『………政宗公』
「俺には何も聞くな。そういう奴らだ。」
『………私の師匠は、いくら何でもここまではしなかったぞ……』
Aは、目の前で殴り合う二人を見て同情した。
嗚呼、これが亜噂の気持ちか、と。
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時は少し過ぎ、そこは客間。
合流した亜噂、佐助、忠勝と、政宗で客間に案内されると、すぐさまAはことのいきさつを話した。
その間、信玄や政宗達は黙って聞いていた。
一通り話し終えると、信玄は深く頷き、
「事情はよく分かった。佐助が世話になったようだな。礼を言う。」
と頭を下げた。
『礼には及びません。それより、問題は』
「うむ……徳川が。」
腕を組んで考え込む信玄。
『私達は、佐助と同じく、"体内の虫"によって家康が狂ったのだと考えています。』
「うむ、それは儂も同感じゃ。じゃが、それが一体何なのか分からぬからな…」
『おそらく、人の手によって作られたものかと。』
きっぱりと言い切るAに、信玄達の視線が集まる。
「何故そう思う?」
『全てが出来過ぎているのです。佐助が攻め、家康が混乱に上じて豊臣を討つ。偶然にしてはおかしいと思いませんか。』
「……」
『それに、もし虫が自然によるものなのだとしたら、有力な人間ばかりに憑いているのも不自然です。一般人に取り憑いてもおかしくないのに。』
Aの推理は、的外れではなかった。
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かえこ(プロフ) - らんさん» ありがとう御座います!! (2020年11月18日 20時) (レス) id: aec05404df (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - おもしろかったです! (2020年11月18日 6時) (レス) id: 632a5f4028 (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - かえこさん» ばっちりとしかいえねぇ (2020年11月3日 14時) (レス) id: 632a5f4028 (このIDを非表示/違反報告)
かえこ(プロフ) - らんさん» 口調とか大丈夫でしたか?もう、ほぼ勘で書いてます……( TДT)ゴメンヨー (2020年11月3日 12時) (レス) id: aec05404df (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - あれだげしかなかった情報で書けるってすごいですね! (2020年11月3日 8時) (レス) id: 632a5f4028 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かえこ | 作者ホームページ:ホームページ?ナニソレオイシイノ?
作成日時:2020年8月16日 19時