夜 ページ25
Aと亜噂、そして官兵衛は、もう茜色に染まった林のなかを歩いていた。
ズルズルと引きずる鉄球の音が、やけにうるさく感じる。
空は傾きかけ、自らの巣へ急ぎ飛ぶ烏や雁が点々と見えていた。
「A様……」
『どうした?疲れたか?』
「いや…夜が来るし。」
『………そうだな。今夜は野宿だ。』
「こ…これだけ歩いて結局野宿かぁ?!」
『仕方があるまい……越後に付けただけでも大収穫だ。』
Aは少ない荷物を置き、周囲の落ち葉や小枝を集めはじめた。
それに習うように、亜噂も続く。
「忠勝殿と……鈴と琴は無事かな…」
「きっと大丈夫だよ。あいつらは強いからなぁ!」
『ああ。そう願うしかないだろう?』
「…そう、だしね。」
A達の中心に火が灯ると、黒煙が空へ導かれた。
パチパチとなる炎は、今日の悪夢を思い出させる。
『……』
Aは燃え盛る炎で顔を照らしながら、銀を取り出してかざした。
丁寧に磨かれた刃には、逆さまになったAの顔が写る。
(酷い顔をしているな……)
ジャラリ、と鎖が鳴る。先端の重りには、"守"という文字が刻まれていた。
守る。
結局、私は守れなかったよ。
お前は、私を守ってくれたというのに。
また人を殺してしまったよ。
(…駄目だな、夜は。気分が暗くなってしまう。)
黒煙が上る先には、まるで
綺麗だ。忠勝や鈴も琴も、見ているだろうか。
あのなかに、紗銀はいるのだろうか。
「ッAさ」
「動くな。」
亜噂が言うよりも速く、それは触れた。
首に冷たい感触。
『私達は怪しい者じゃない。』
「勝手に領地に入って、何が怪しくないと?」
Aは、ちらと背後を伺う。
見えたのは金髪と、……整った肌。
(おいおい……)
Aは両手を上げ、抵抗がないことを示した。
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かえこ(プロフ) - らんさん» ありがとう御座います!! (2020年11月18日 20時) (レス) id: aec05404df (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - おもしろかったです! (2020年11月18日 6時) (レス) id: 632a5f4028 (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - かえこさん» ばっちりとしかいえねぇ (2020年11月3日 14時) (レス) id: 632a5f4028 (このIDを非表示/違反報告)
かえこ(プロフ) - らんさん» 口調とか大丈夫でしたか?もう、ほぼ勘で書いてます……( TДT)ゴメンヨー (2020年11月3日 12時) (レス) id: aec05404df (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - あれだげしかなかった情報で書けるってすごいですね! (2020年11月3日 8時) (レス) id: 632a5f4028 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かえこ | 作者ホームページ:ホームページ?ナニソレオイシイノ?
作成日時:2020年8月16日 19時