原因不明 ページ2
『…佐助。お前は記憶がないというんだな?』
「ああ……。少し曖昧なんだよ。どうして豊臣なんて攻めに行ったのか……」
『そうか…。ということは、武田公の指示ではないのだな。』
こくりと頷く佐助に、Aは目を閉じて考える。
その横顔を見る亜噂が、ふと何かを思い出したように「あ、」と呟いた。
「A様。佐助に治療か何かを施したんだしね?何をしたんだし?」
『ああ、あれか…。あれは確かな。』
Aが記憶を探り、そのときのことを思い出す。
そのうちに、Aの脳裏に一つの可能性がよぎった。
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「ぐぁ……ッ!!」
突然うずくまり、苦しみだす佐助。
心臓の部分に手を当て、荒い呼吸を繰り返す。
『…ッ?!どうした?!』
「う………ッ!!うぅ………ッ」
依然として苦しむ佐助の背をさすり、落ち着かせようと試みる。
「あぁ…ッ嫌………だ……!やめ………!!」
『落ち着け!!私が分かるか!!』
「やめて……くれ…!!俺は……あぁあ!!」
『……ッ!!』
トン、と佐助の首筋に手刀を当てる。
ガクリと揺らめいた佐助の身体に、すかさずもう一度手刀をトン、トンと当てた。
佐助は前のめりに倒れる。それをAは抱えるようにして受け止めた。
『チッ……誰か!!聞こえるか!!!!』
外に向かって叫ぶも、その頃は外は混沌と化している。
そのことを知るよしもないAは、自らの重臣の名を叫ぶ。
『…ここからじゃ聞こえないか…。』
そして佐助を見下ろす。
汗を浮かべた顔は、苦しそうに歪んでいる。
気を失わせたものの、苦しみは続いているのだろうか。
『…もはや迷う暇はあるまい。少々荒いが耐えてくれよ…?!』
Aは佐助の懐からクナイを抜き取り、切っ先を胸部に当てた。
『(生憎だが私はこの方法しか知らん。忍なら耐えられると思うが…死ぬなよ…!!)』
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かえこ(プロフ) - らんさん» ありがとう御座います!! (2020年11月18日 20時) (レス) id: aec05404df (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - おもしろかったです! (2020年11月18日 6時) (レス) id: 632a5f4028 (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - かえこさん» ばっちりとしかいえねぇ (2020年11月3日 14時) (レス) id: 632a5f4028 (このIDを非表示/違反報告)
かえこ(プロフ) - らんさん» 口調とか大丈夫でしたか?もう、ほぼ勘で書いてます……( TДT)ゴメンヨー (2020年11月3日 12時) (レス) id: aec05404df (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - あれだげしかなかった情報で書けるってすごいですね! (2020年11月3日 8時) (レス) id: 632a5f4028 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かえこ | 作者ホームページ:ホームページ?ナニソレオイシイノ?
作成日時:2020年8月16日 19時